「起業を成功させるには、どうすればいいのか?」起業を志す方の誰もが一度は考えたことでしょう。
そこで当スクール独自に、起業の成功例15社を徹底的に分析。驚くことに、成功した企業には4つの共通点があることが分かりました。
本記事では、その共通点とともに15社の成功事例を詳細に解説していきます。これから起業する方は、ご自身の事業に近しい成功例を参考にしていただけるようになっています。
また、これから起業したい方に向けて、起業アイデアを見つける方法のコンプリートガイドも用意しましたので、ぜひお読みください!
15社の起業成功例から分かった4つの共通点
起業成功例として後に15社を解説しますが、まずはそれらの企業に共通する点を解説します。今後起業を成功させるために参考となるはずです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
社会の「ニーズ」に着目している
ビジネスである以上、社会に需要がなければ事業は成り立ちません。しかし、近年は「好きなことを仕事にする」という風潮があり、「お客さんと商売人」という構造をシンプルに見ることができない人が増えています。
好きなことを仕事にできれば幸せです。しかし、好きなことを仕事にして事業が成り立たないのであれば起業する意味はありません。
まずは市場調査を行って起業アイデアにニーズがあるかを確かめ、集客につなげていくことで起業を成功させることができます。
経験やスキル・ノウハウを活かす
経験やスキル・ノウハウを活かした起業は、他社との差別化を図る上で重要です。これは脱サラ起業でも顕著で、会社で培った経験やスキルをもって、そのスキル特化型の事業を始めるということは多々あります。
参考:1年で新規事業の連続立ち上げに成功!星野真様
参考:LP改善でコンバージョン増!年間100万円超を達成 岩木さま
自分のキャリアの中で起業アイデアに使えるものがあれば、それを軸に起業することを考えてみましょう。
現状を改善する
「お金を払う」行為の本質は「自分にはできないこと・やらないことを代わりにやってもらう」ことです。
例えば、スーパーで食材を買うのは自分が作らない(作れない)からですし、タクシーにお金を払うのは、自分が車を運転しないからです。
つまり、商売というのは全て「何かを改善すること」に価値があるから成立しているのです。
現状、改善されていないものを探し、そこに対するソリューションを提示することが重要です。
事業に熱意や思い入れがある
事業に対する姿勢が真摯であるかどうかは、起業の成功に影響を及ぼします。ただ、これは根性論ではなく「どれだけストイックに事業を成長させられるか」という意味での熱意や思い入れを指します。
起業して経営する以上、常に改善点は出てきます。現状に甘んじることなく事業を洗練させ、顧客満足度を高めることで企業は現状維持できるのです。
経営者である以上は事業に熱意を持って、常に前向きな姿勢で企業を成長させましょう。
1円起業の成功例
新会社法の制定(平成17年)により、1円の資本金で法人を設立することが可能となりました。
そして、実際に1円起業などの低資金で起業(スモールビジネス)して成功した起業家はたくさんいます。まず最初に、画期的な1円起業の成功事例を取り上げます。
1円起業の成功例:合同会社アマガエル
合同会社アマガエルは、当時中学3年生だった創業者によって設立されました。
この中学生は、一般家庭に育ったため起業資金がなく、設立資金が株式会社よりも安い合同会社を選択しました。
登記費用などを含めて、実際には7万円ほどの資金を個人のお小遣いなどから充てています。
現在は、学生であるという立場を生かして生徒会コンサルなど、ユニークな事業展開を行っていく予定です。
起業成功の理由
合同会社アマガエルが1円起業に成功した理由は、中学生という立場を生かして世間的な注目を集められたこと、そしてコンサルティングなど事業費用があまりかからないサービスに特化させた点だと言えます。
特に事業資金がない場合は、低資金で提供しやすいサービスを展開することは重要です。
起業初期は収益が見込めないことが多いため、事業継続のためにはできるだけ費用を抑えることが命題となります。
また、合同会社アマガエルは「生徒会活動をはじめとする課外活動でリーダーの経験を積むことでグローバルリーダー育成を育成し、日本の各産業における技術革新を支える」というビジョンを掲げています。
このビジョンは生徒会コンサル事業のバックグラウンドともなるもので、社会的な共感も得られやすいものです。
ネット起業の成功例
IT技術の進展に伴い、インターネットを活用して起業するのはもはや常識となっています。
上述した1円起業の例を挙げるまでもなく、ネットで起業すれば小資金で成功させることも可能です。
ネット系事業としては、すでに広く認知されているアフィリエイトや物販、ネットショップ経営や各種サロン、またマッチング系サービスや、ゲーム・ECアプリ関連、B2B系など、多岐にわたる分野が挙げられます。
数あるネット起業の中で、ユニークさが際立っている成功事例をいくつか挙げます。
ネット起業の成功例1:ほぼ日刊イトイ新聞
著名なイラストレーターである糸井重里氏の事務所が運営する人気サイトです。
1日150万PV(ページビュー)のアクセスを集め、売上高が37億円と収益性が非常に高いメディアである一方で、サイトコンテンツに購読料金をかけたり、広告を掲載したりしないという点が特徴です。
では、ほぼ日刊イトイ新聞の収益を支えているのは何かというと、物販事業です。
システム手帳や土鍋、タオルなど、ジャンルを問わず様々な商品がヒットしています。
起業成功の理由
ほぼ日刊イトイ新聞がネット起業に成功した理由を挙げるとすると「より特定層の人向けにストーリーを持たせること」が、他のサイトとの差別化に成功したという点でしょう。
「より特定層の人向けにストーリーを持たせること」の施策として、サイトコンテンツ(記事)と商品をリンクさせることが挙げられます。
その具体例として、「バルミューダのパンが焼けるまで」という記事を紹介しましょう。この記事では、糸井氏とバルミューダ代表の寺尾玄氏が対談をしています。
この記事の面白いところは、バルミューダの商品を紹介することはなく、同社の創業経緯や寺尾氏の人生にフォーカスされているという点です。
この「商売感」のなさが読者に受け、むしろバルミューダの商品を購入したいと思わせるようになっているのです。
それよりも商品に共感して自分が「買いたい」と思ってもらえることが大事。
そういう販売導線づくりがうまいのがほぼ日刊イトイ新聞なんですね。
現代の顧客購入プロセスAISASを意識しよう
現代に生きる私たちは、AISAS(AISAS)というフレームワークに沿って商品の購入をしています。下図がAISASの購入プロセスです。
ユーザーは購入する前に「検索」をし、レビューや商品のバックグラウンドに納得して購入に至ります。
この購入プロセスこそ、ほぼ日刊イトイ新聞のコンテンツと物販事業の相性の良さを表していると言えるでしょう。
商品を購入する前にストーリーを知り、その商品をさらに好きになることで購入するようになるからです。
特に高価な商品ほど、この傾向にあります。
現代はインターネットでほとんどの情報が見られますから、むしろ商品やサービスがどのような背景で生まれたのかを明らかにすることが購入へと繋がる理由となり得ます。
また、購入後に「共有」というプロセスがある点にも注目しましょう。
その商品に深く共感したユーザーはSNSなどを通して共有を図るようになります。
そして、ネットを介して多くの人に認知されるというのがAISASを活用した好循環です。
ネット起業の成功例2:アスクル
アスクルは事務用品に特化したBtoB通販事業です。アスクルという名前の通り、インターネットで商品を注文した翌日(明日)に届く(来る)というシステムが人気を博しています。
起業成功の理由
アスクルが成功した背景には、流通・販売経路の確立と販売代理店との共存関係が挙げられます。
同社が具体的に担当しているのはカタログの発送や注文の受付・商品配送などで、代理店が顧客の管理や代金の回収などを行うという分業体制になっています。
この分業体制は、アスクルが市場を拡大することを容易にするのと同時に、年々事務用品の需要が減っていく小売店の売上を補強することにつながりました。
大元が一方的に利益を搾取するのではなく、代理店にも相応の利益を享受することによって、アスクルは売上3451億円という繁栄を見せているのです。
地方起業の成功例
IT技術の進展や、政府も主導する働き方改革に伴うワークライフバランスの変化などの社会・経済環境の変化によって、地方での起業ハードルも非常に低くく、成功しやすくなっています。
ここでは地方で起業した成功例について解説します。
地方起業の成功例1:シタテル
熊本県のベンチャー企業で「衣服生産のプラットフォーム」をキャッチフレーズとして活動しています。
ニーズ元の個人や企業と、全国に展開する工場や職人を繋ぐことで、衣服を作りたい要求に応えることに成功している、マッチング系ビジネスです。
全国に展開する様々な衣料系工場の稼働率を向上させ、IT技術を活用して地域創生に貢献した、地方起業における成功の際たる事例といえます。
起業成功の理由
先述の通り、マッチングサービスは今後もビジネスチャンスが見込める分野ではありますが、シタテルはさらに社会的な共感を得て成功した事業です。
具体的には、生産・販売から配送までの流れを完全にクラウド化することで精密な在庫管理を行い、過剰な生産とそれによる大量破棄を防ぐということに取り組んでいます。
アパレル業界においてはファストファッションの流行に伴い、これまで大量の生産が行われてきました。
これにより環境破壊やさらなる貧困が拡大し、近年では「エシカル(倫理的な)ファッション」が推奨されています。
そんな中で在庫管理から配送までをワンストップで行うサービスは、社会的共感だけではなく、利益の最大化も同時に成立させることができる存在として多くの人に支持されたのです。
安いけど環境破壊につながっているような商品は、消費者が罪悪感を覚えて購入につながりません。
買うことで社会をより良くできるようなコンセプトがあれば、支援の意味も込めて気持ちよく購入できるというものです。
地方起業の成功例2:ヤマゼンコミュニケイションズ
栃木発にあるWeb制作会社で、地元のグルメやファッション、またアミューズメントなど、あらゆる情報がチェックできる“栃ナビ”の運営も成功しています。
実際にそのスポットを訪れた人々からの「口コミ情報」だけで構成されているため、信憑性も高く、地域貢献度も非常に高いコンテンツとなっています。
起業成功の理由
ヤマゼンコミュニケイションズが成功した理由として、地域密着型の事業を徹底したことが挙げられます。
ここで同社が行った施策を見てみましょう。
・地域の求人を掲載し「地域の雇用創生」を支援
・紙媒体メディアを発刊し「ネットに疎い層」にも情報提供
・イベントを主催し「地域企業と顧客の橋渡し」を行う
企業側だけが利益を得る事業ではなく、その地域に関わるすべての人・企業に価値を与えるための施策を行っていることが分かります。
なお、ヤマゼンコミュニケイションズは新卒採用3名枠に対し600名以上の応募があるというその人気ぶりです。
女性・主婦起業の成功例
女性参画社会やジェンダーフリーが叫ばれる状況下、多くの女性や主婦が起業し、成功を収めています。
その中から新たな発想で起業に成功している女性や主婦の事例をいくつか取り上げて解説します。
女性・主婦起業の成功例1:Zaim(閑歳孝子氏)
閑歳氏は慶應義塾大学卒業後、ITベンチャーを経てプログラミングの知識・スキルを独学で身につけ、家計簿サービス「Zaim」を開発・リリースしました。
家計簿アプリとして数多くの主婦から高く評価を得ており、ダウンロード数は500万を超えています。
最近では、写真スライドショーサービス「Smillie!」や、SNS上のトレンド発言集「ReTweeter!」など、さまざまなツールを開発することに成功しています。
起業成功の理由
もともと企業でプログラマーとして働いていた閑歳氏ですが、こちらの開発はアクセス解析ツールなど法人向けのサービスが主となっていました。
このため「もっと身近な人に使ってもらえるようなサービスを作りたい」と考えるようになったそうです。
また、一過性のサービスではなく、生活に根差したものが作りたいと考えた閑歳氏は「お金」をテーマにアプリ開発をすることに決めました。
事業においては、Zaimのように「日常になくてはならないテーマ」を取り扱うサービスや商品は、一時的な収益が飛び抜けることはないとしても、顧客一人あたりのLTV(ライフタイムバリュー)が高くなる傾向にあります。
派手でなくとも、使いやすくいつまでも愛用してもらえるサービスや商品は起業成功に必要な要素です。
女性・主婦起業の成功例2:キャリア・マム(堤香苗氏)
自分の子育て体験から、「女性は結婚をして子供を産むだけでなく、その後も自分らしく生きていける」という、堤氏の思いが同じ環境にある多くの母親に支持され、当初わずか3人で始めた育児サークルは、10万人を超える母親ネットワークへの拡大に成功しました。
20年以上にわたって働く女性の支援を行っており、主婦の在宅ワークやキャリア支援、また託児スペース付きワークスペースの運営など、幅広い事業を展開しています。
起業成功の理由
代表・堤香苗氏はキャリア・マム起業前にアナウンサーとして働いており、妊娠をきっかけに休職・復職を経験し、女性のキャリア支援制度が不足していることに気づきました。
今よりも「女性は家庭に入り、家事に専念するもの」というイメージが強い中で、女性へのキャリア支援制度の需要を痛感し、起業に至ります。
起業は20年前ですが、いち早くテレワークを導入してパソコンスキルのある女性を中心に仕事を斡旋。
また、10万人の主婦が所属する組織という価値を生かして、他企業向けにモニター調査などのマーケティング支援や商品開発のためのフィードバック収集などを行っています。
USPを正しく理解することの価値
キャリア・マムが女性の悩みをうまくキャッチして事業化したことは素晴らしいことです。
さらに注目したいのは、自社の強みである「10万人の主婦が所属する」という価値を利用して、他社向けの事業を展開させたことです。
マーケティング用語で自社の強みを「USP(Unique Selling Proposition)」と呼びます。
独自性(Unique):自社にしかできないこと・他社に真似ができないこと
売り(Selling):顧客の心を強く揺さぶる魅力的な提案であること
提案(Proposition):顧客に対する価値の提案であること
USPを明らかにすれば、それを生かした起業アイデアを生み出しやすく、成功確率も格段に上がります。
下記にUSPを作るためのフレームワークを紹介しますので、活用してみてください。
4P分析
4P分析は「売る側」の視点で、商品やサービスの強みを明確化させるためのフレームワークです。
4つの視点から商品・サービスの強みを明らかにすることによって、USPを生み出すことができます。
4C分析
一方で、4C分析は「買う側」の視点で、商品やサービスを購入するメリットを明確化させるためのフレームワークです。
買い手への価値提案を中心に考えるフレームワークなので、USPの「提案(Proposition)」を考える際に特に役立つでしょう。
シニア起業の成功例
長年の社会経験やスキルと実績、また豊富な人脈を有するシニア層は、起業しても成功する素養を十分有しています。
様々な成功例がありますが、そのいくつかを取り上げます。
シニア起業の成功例1:カフェ らいさー(村上孝博氏 65歳)
村上氏は銀行を定年退職後、職業訓練プログラム(介護・農業・米粉パン)を受講し、米粉パンとシフォンケーキの製造・販売事業で起業しました。
社会に役立つ起業を志し、日本の長年にわたる課題の一つであった米の消費拡大のため、「米粉」のパンとシフォンケーキを提唱し、現在は横浜で「カフェ らいさー」を開業、地域コミュニティへの貢献に成功しています。
起業成功の理由
カフェ らいさー代表・村上孝博氏が掲げたビジョンは社会的にも評価されるところですが、起業を成功させたのはテストマーケティングを着実に行っていたという点にあります。
地域のデイサービス施設を間借りし、週に2日米粉パンとシフォンケーキを販売。
また、同施設のイベントで試食や販売を繰り返し、1年間もの期間、慎重にテストを続けました。
起業家の中にはいきなり大量に仕入れをしたり、大々的に広告を打ってしまったりする人もいます。
しかし、起業成功の秘訣はスモールスタートです。
周りくどく感じるかもしれませんが、ごく限られた範囲・低資金でテストを行い、需要を確かめた上で本番に入る方が確実に成功できます。
むしろ、いきなりコストをかけてしまうと失敗しても潔く撤退ができなくなってしまいます。
サンクコスト(埋没費用)が原因で倒産した企業は多いので、やはり低資金からテストしてみるのが適切な選択だと言えます。
シニア起業の成功例2:NPO法人エガリテ大手前(古久保俊嗣氏 61歳)
商社マンとして世界で活躍していた古久保氏は、同窓会への参加をきっかけに、男女共同参画社会の理念に共感し、NPO法人エガリテ大手前を起業しました。
その後、祖父の子育て参画を促進するソフリエなど、独自企画を次々に提唱し、全国の自治体などとも連携して普及活動を行っています。
その後、ソーシャルビジネスをキーワードに、ますます成功へ邁進しています。
起業成功の理由
NPO法人エガリテ大手前が成功した背景には、密な市場調査があります。
祖父の子育て参画事業を始めるにあたり、代表の古久保俊嗣氏は300人規模の祖父母世代、父母世代の人々に対面調査を行いました。
その結果、下記3点が判明しました。
・祖父世代は孫育てに対して高い意識を持っている
・母世代は保育施設より家庭保育を希望している
この3点を結びつけた結果、祖父の育児知識・技能を認定する資格ビジネス「ソフリエ」に行き着いたのです。
祖父は自身のノウハウが外的に認められ、祖母・母親世代は祖父の孫育て参入に信頼を置き、母親世代は希望通り家庭保育に祖父の支援が受けられるという流れです。
週末起業の成功例
週末起業とは、現在所属している会社を辞めずに、土日や休日を中心とする「週末」に限って事業を展開して成功を目指すものです。
副業とも似ており、リスクを最小限に抑えながら、起業を成功させたい人に適しています。
週末起業の成功例1:Wedding-dress.info(富岡保彦・まち子夫妻)
富岡ご夫婦がウェディングドレスキットの販売を週末起業として手掛けたものがWedding-dress.infoです。
ご主人が平日、朝4時から7時までの時間にDVD制作や編集、会社の昼休みにメルマガやWeb記事作成などをルーチンとして活動を開始し、事業として成功されました。
起業成功の理由
もともと富岡ご夫婦は週末起業で子供服の販売を行っていました。
しかし子供服は単価が安いわりにユーザーからの要望が多く、メーカーが大量生産するのと比べると、個人制作・販売はあまりにも単価が安いということに気づきました。
このため、個人で服飾品を売るのであれば高単価の商品にしなければならないという結論に至ります。
そして、選んだのがウェディングドレスキットの販売でした。
ウェディングドレスであれば単価は高くとも成立しますし、市場調査をした結果、自分たちでドレスを作りたいという人は多かったそうです。
また、キットの販売ということで売り手側の手間も省け、買い手側からすると完成品を購入するよりも安価。
週末起業の成功例2:週末英会話サークルLibra☆Star(Mayu氏)
多忙な主婦業の合間を縫って、週末に英会話サークルを運営しています。
子育てがひと段落した時期に、英会話サークルのアシスタントをしたことがきっかけで、ネイティブ英語教師と一緒に気軽に楽しく英会話を学ぶ機会を目指して週末起業を成功させました。
起業成功の理由
週末英会話サークルLibra☆Starが成功した理由の1つには、社会的な背景が深く関わっています。
具体的には、2011年施行の新学習指導要領によって小学校5、6年生で英語が必修化されたことで、親御さんの英語への関心が高まっていたということです。
このため、施行に先駆けて英語を学ばせたいという家庭の絶対数が増え、英会話学習市場自体も拡大したのです。
また、代表のMayu氏は毎日1,000人以上のユーザーがアクセスする規模のブログを運営しており、こちらも英会話サークルのプロモーションに役立っています。
成長市場には次々と需要が生まれるため、シェアを取りに行きやすいからです。
事業は収益があって初めて成り立つため「市場にお客さんがいるのか」という点は忘れてはいけません。
成長市場で起業する
市場には4つのステージ(導入期・成長期・成熟期・衰退期)があります。
この4つのステージのうち、参入するべきなのは導入期と成長期です。
成熟期はすでに市場の成長は止まり、競合他社も多いです。また、衰退期は今後の市場拡大が見込めず、売上を見込むことはできません。
この時期、一次代理店になるには1,000万円ほどの資金が必要でしたが、その代理店の中から最終的にKDDIやソフトバンク、ドコモなどの代表キャリアが生まれたのです。
また、そこまでの規模にならなくともお客さんが使った通話料の分の報酬がもらえる「通話料バック」という制度だけでも月に1億円ほどの売上になりました。
週末英会話サークルLibra☆Starは、指導要領の改定で市場が成長する時期を通して成功されています。
社会の大きな流れを見通して、成長市場でエスカレーター式に売上を伸ばしましょう。
クラウドファンディング起業の成功例
起業にあたって必要となる資金を調達する新たな手法として注目されているのがクラウドファンディングです。
文字通り、クラウド(群集)からファンディング(資金調達)を成功することで、事業資金に充当するものです。
この手法による成功事例も多数あります。
クラウドファンディング起業の成功例1:谷上プロジェクト
ビジネス系SNSとして有名なチャットワークの創業者・山本敏行氏が発起人となって推進された、神戸市の谷上(たにがみ)町を活性化させるためのプロジェクトです。
2,674万8000円を集め、行政からの強力な支援を獲得するなどの成功を収めています。
起業成功の理由
谷上プロジェクト代表・森脇暉氏は、クラウドファンディングの成功理由を以下のように語っています。
谷上プロジェクトのコンセプトに共感して下さった市役所の方々が、ふるさと納税の対象案件として認定してくれたことです。これはかなり大きかったと思います。
そして何より、熱量の高い方々に共感いただいた事が一番の成功の要因だと思います。
森脇氏が述べる通り、クラウドファンディングを成功させるには「熱量の高い方に共感してもらう」ことが必須です。
調査によると、クラウドファンディング利用者のうち、67.8%は男性。
また、クラウドファンディングで支援をしたことがある人の統計は下記のようになりました。
上図を見ると、40代の支援回数が多いことが分かります。
この結果から、男性向けかつ中・高年齢向け(特に40代)のプロジェクトが成功しやすいと言えます。
性質上、中・高年の男性が多いのがクラファンなので、ガジェット系やビジネスアイテム系などが刺さる場合が多いようです。
クラウドファンディング起業の成功例2:島戸ゲストタウンプロジェクト
主催者の森脇氏が、出身地の下関で「イルカが選んだ奇跡の海・角島が望める空家をリノベ」というコンセプトで実施しました。
1,030万6000円が寄せられ、地元で成功した事例としては代表的です。
起業成功の理由
こちらのプロジェクトの成功理由の1つは、もともと清掃活動で地域からの信頼度が高かったNPO法人が行なったという点にあります。
地方に根差したクラウドファンディングなので、主となる支援者はやはり地域の方が多くなるでしょう。
本プロジェクトが成功することで、地域の空き家問題解消や地域活性化など、多くの恩恵が地元にもたらされるという点が共感を生んだポイントとなりました。
地域にメリットがあることで行政も巻き込むことが可能となります。
友達と起業の成功例
起業をする際、意気投合した友達と起業するというケースもあるでしょう。
友達と起業した場合、得意分野で役割を分けたり、辛い時に励ましあったり、色々なメリットがあります。
この「友達と起業」の成功例についても下記で紹介します。
友達と起業の成功例1:株式会社デイアライブ
代表の今西氏は、気が合った友人・村岡氏とデイアライブを起業。そのきっかけは、家族ぐるみの旅行でした。
今西氏テクノロジーの進歩に感銘を受けつつも、そのテクノロジーを享受できない層が一定いることに社会的な課題を感じ、Webサイト制作やデジタル分野におけるソリューション提供を行なっています。
起業成功の理由
友達と起業する場合、「最終的に誰が決定権を持つのか」を決めることが重要です。
株式会社デイアライブの場合は、仲の良い友人3人で起業しましたが、最終的な決断と責任は今西氏にあるという取り決めがあったと言います。
決定権のある人物を決めることでまとまりが生まれ、組織としてのアクションも早くなります。
友達と起業の成功例2:D.O.D株式会社
代表の岩花さんは、大学で経営を専攻。学友の「ダンスで食べていきたい」という言葉をきっかけに、その友人とダンス教室を始めることにしました。
初めのうちはWordソフトでビラを作り、1時間1,000円のスタジオを借りていたため初期費用は5,000円くらいしかかからなかったそうです。
現在では従業員・インストラクター・マネージメントスタッフを90名近く抱え、企業規模として成長しています。
起業成功の理由
D.O.D株式会社の起業が成功した理由は、低資金でテストマーケティングから始めた点にあります。
初期費用を極力抑えてスタートすれば、需要がどこまであるのかを見定めることが可能です。
小島氏がこの事業を始める際、いきなりパーソナルジムを用意するのではなく、個室の時間借りをしたのです。
2時間5,000円程度の予算でテストマーケティングを行い、需要を確かめて一気に本格始動。
このような流れで事業を安定拡大し、2019年には上場を果たしました。
業種によってテストマーケティングの方法は異なりますが、基本は「低資金で始める」ことが重要です。
まとめ
将来へ向けて起業を志し、成功のために進んでいくことは素晴らしい人生のチャレンジでもあります。この記事を読んで、取り上げた事例からヒントを得て、自分の目指す起業を成功させていただければ幸いです。