スティーブ・ジョブズに学ぶ「起業の成功法則」

アメリカの起業家として有名なスティーブ・ジョブズ。

Appleの共同設立者の1人で、NeXT創業者であり、ピクサー・アニメーション・スタジオなどのCEOも歴任しました。

彼の輝かしい経歴を見ると、そこには成功の秘訣が隠されていると考えざるを得ません

「努力なして成功なし」とはよく言ったものですが、スティーブ・ジョブズの場合、「努力」だけで成功を勝ち取った訳ではないようです。

「困難」「大変」「難しい」といった言葉を何度も使い、自身の体験をジョブズ節ともいえる、自信に溢れた語り口で語っています。

お金儲けのために起業はできない

スティーブ・ジョブズはこのように言います。

僕の所に来て「会社を始めたい」って言う人がいるんだよね。

僕が「なぜ?」って聞くと、「たくさんお金が欲しいから」って。そういう人には「辞めておけ。そんな理由じゃ無理だ。きっと成功しない」って言うようにしてる。

人々は、たくさんお金が欲しいからビジネスを始める。

けれど、そういった人が成功したのをあまり見たことがない。

成功する人というのは、特に起業したいと思っているわけではないけれど、世界に向けて発信したいアイデアがあって、だから起業するという感じ。

そういった場合、周りの人たちは彼らのアイデアに耳を貸さないから、起業するということになるわけだね。

事業は常に顧客ファーストであり、外に価値のあるものを発信したいからこそ評価されるものです。スティーブ・ジョブズが言う通り、この点を忘れてはいけませんね。

情熱的であれ!

また、起業時に重要なことについてスティーブ・ジョブズはこう言います。

何か新しいことを始めようという時に、一番大切なことは、情熱的であることだと思う。会社を始めるということは、とてつもなく困難なことだから。

もちろん一生懸命働かないといけない。だからもしも、そこに情熱がなければ、簡単に諦めてしまう。

成功する人と、そうでない人の大きな違いは、諦めてしまうか否かだ。上手くいかない人は、成功する人と比べると簡単に諦めがちだ。とにかく、困難に立ち向かう情熱が必要ということだ。

「自分自身のやっていることに、たくさんの情熱を注ぐべきだ」と多くの人が言う。

そしてそれは確かに事実だ。もし情熱がなければ合理的な人は諦めてしまう。なぜならそれは、とても難しいことだから。

持続的に努力を続けなければならないし、本当に好きなことでないと続かない。これは実際多くの人に起こっていることだ。

成功している人を思い浮かべてみると、彼らは自分自身の大好きなことをしているし、苦しい状況でも我慢できる。

好きなことをやっていない人は、辞めてしまう。

好きでもないことを、我慢してやるというのは、ものすごく大変なことだ。

常に心配事も尽きなくなる。好きでなければ失敗する。だから好きなことをしなければならないし、情熱を持たなければならない。

講師・中村司も「好きと得意がかけ合わさったものが天職」と発言しており、やはり仕事に情熱を持てることは事業にとってもプラスになります。

アイデアか問題を見つける

また、起業するアイデアが湧かない人に対してはこのようなことを述べています。

成功している起業家と、そうでない起業家を分けているものは忍耐力だと思う。

起業するというのは、とても大変なことだ。人生の多くを注いで、辛い時を過ごさなくてはならない。

だから多くの人が諦めてしまうけれど、僕は責めないよ。

起業は多くの時間を奪ってしまう。家族もいて、会社も始めたばかりという状況を想像するだけでも恐ろしい。

どうやって乗り切ればよいのか。もちろん成し遂げてきた人もいるわけだけれど、大変だったと思うよ。

1週間に7日、毎日18時間働く。情熱がないと生き延びられないし、諦めてしまう。

だから情熱的になれるアイデアや、問題や、困っていることなどを書き留めておくと良い。

そうでないと、乗り越えていける忍耐力は得られない。

生活に根付いたアイデアこそ、成功するもの。日常的なニーズを書きとめ、それを起業アイデアとして活用しましょう。

最高の経営者とは偉大な貢献者である

経営者にも色々なあり方がありますが、スティーブ・ジョブズは理想的な経営者についてこのように述べました。

Appleを始めた頃、会社を大きくするために経営の専門家を雇わなくてはならないと思った時期があった。

そこで何人もの専門家を雇ったが、全く上手く機能しなかった。

確かに経営についての知識はあったが、何かを成し遂げるという観点では使い物にならなかった。

もしあなたが素晴らしい人ならば、是非誰かのために働いて欲しい。

誰かのために働かなければ何も学べない。

面白いことを教えてあげるよ。

最高の経営者とは何か?それは偉大な貢献者であるということ

経営者になりたいなんて微塵も思っていないけれど、自分より上手く仕事が出来る人が周りに1人もいないから、経営者になるのが運命だと思っている人。

偉大な人というのは自分でマネジメントが出来る人であって、人から指図される人ではない。

何をすべきかが分かればすぐに、その方法を見出す。人から何か言われる必要は全くない。

彼らに必要なのは共通のビジョンだ。それこそがリーダーシップなのだ。

リーダーシップというのはビジョンを持って、そのビジョンを周りの人が理解できるように明瞭にすること。

そして共通のビジョンに対する総意を得ることができること。

僕たちが求めている人材というのは、自分自身のやるべきことを極めて上手くこなす人だ。

熟練の専門家は必要ない。

あと一息というところまできていて、情熱があって、科学技術における最新の知識を持ち、その科学技術を用いて我々に何が出来るのかを理解し、

そしてその恩恵を多くの人に届けたいと思っている人が必要なのだ。

例えば同じようなことは人が集まった時に起きる。

10人の偉大な人が集まると、そこにはお互いを牽制する動きが生まれる。

だから僕のような立場にいる人にとって、1番大切な仕事というのは組織づくりだと考えている。

組織づくりのために身を尽くし、適材適所にスタッフを構成する。これもまた、経営者のあるべき姿でしょう。

自分のビジョンを保つ

会社を立ち上げる際に設定する企業理念やビジョン。

このビジョンの価値についてスティーブ・ジョブズはこう話します。

AとBには何かしらの関係があるとか、何かを成し遂げたとか、世界に種をまいて、それが育ってきているとか、世界が少しずつ変わってきているとか…そういった感覚というのは信じられないものがある。

自分たちのビジョンを保ち、再認識させてくれる存在が必要だ。

なぜなら、目の前にはやるべきことが山のようにあって、何万キロも歩かないといけないような時、

最初の1歩の段階では道のりは長く感じるものだ。

そんな時、僕たちは近づいているんだって言ってくる存在がいると大きな助けになる。

ゴールは幻などではなく、絶対に存在する。

だから何千歩の内の1歩だろうと、長い道のりだろうと、ビジョンを何度も再認識しなければならないのだ。僕もそうしている。

私たちも【「アントレカレッジ」〜Vision〜】でアントレカレッジのビジョンを記載していますが、いつもこの理念に立ち返り、本質を忘れないように努めています。

自分の会社の強みを知る

最後に「良いものを作ったら売れる」と考えるあなたに聞いてほしいスティーブ・ジョブズの言葉があります。

僕がいつも思うのは、何事も顧客のニーズから考え始めて、科学技術に戻るということだ。科学技術から始めることはできない。

どこで商品を売るのかを明確にておく。

僕たちがアップルの戦略やビジョンを考える時、「どんな素晴らしい利益を顧客に届けられるか、顧客をどんな世界へ連れていけるか」ということから始めた。

技術者たちと机を囲んで、僕たちの持っている素晴らしい技術は何かとか、その技術をどうやって売り出そうかなんて考えていなかった。

それは正しいステップだったと思っている。

僕たちの作ったレーザープリンターがあって、世界初の小型レーザープリンターだったわけだが、その中には素晴らしい技術がつめこまれていた。

アップルで、世界の規範となる、アメリカや世界で安価なプリンターを作った。

僕たちは素晴らしいプリンター制御装置を開発し、Adobeのポストスクリプトソフトを内蔵した。アップルの持ち合わせる最高の技術を採用した。

最初の印刷物が出てきて、それを見た時「これは売れる」と思った。

なぜなら消費者はこのプリンターに詰め込まれている科学技術について何も知る必要がないからだ。

僕たちがしなければらないのはただ、プリンターを片手に「これ欲しいでしょ」って売り出すだけ。

1984年にレーザープリンターが発売される前を思い返すと、レーザープリンターは画期的だったわけだ。

人々がみな「すごい!」「欲しい!」となったのは言うまでもない。

いくら良いものであっても「WHY」から始めなければ売れません。

しかし、いつも起業家たちは「WHAT(何を売るか)」から始めるのです。

似たような商品がある中で、なぜAppleの商品が売れるのか。

そこにはビジョンがあり、心を動かすコンセプトがあるからです。

今回のスティーブ・ジョブズの話を念頭に置き、常にビジョンから事業を組み立てていきましょう。