「製造業で起業するにはどうすればいいのか?」とお悩みでしょうか。製造業と言えども医療や食品など、様々な製造業があるため一口に方法は言えませんが、起業するために必要な共通事項は存在します。
そこで本記事では製造業で起業したい方向けに、最低限抑えておきたいポイントを紹介します。
製造業で起業する際のポイント
早速、製造業で起業する際のポイントを解説します。
製造業で必要な許可を取得する
前述の通り、製造業には様々な種類がありますが、それぞれで必要な許可が存在します。下記に代表的な認可を掲載しますのでご自身が起業を考えている製造業を確認しましょう。
製造業の種類 | 許認可など |
---|---|
食料品製造業 飲料・たばこ・飼料製造業 | 食料品製造業許可 種類製造業免許 酒母・もろみ製造業免許 |
化学工業 | 第1種高圧ガス製造業許可 医薬品・医薬部外品・化粧品製造販売業許可 体外診断用医薬品製造販売業許可 体外診断用医薬品製造業登録 再生医療等製品製造販売業許可 再生医療等製品製造業許可 |
石油製品・石炭製品製造業 | 揮発油特定加工業登録 軽油特定加工業登録 |
その他のゴム製品製造業 窯業・土石製品製造業 その他の業務用機械器具製造業 電気機械器具製造業 | 医療機器製造販売業許可 医療機器製造業登録 再生医療等製品製造販売業許可 再生医療等製品製造業許可 |
資金調達をする
また、製造業の起業は他業種と比べても初期の必要資金が大きく、資金調達の必要性が高いです。具体的には、機械設備や原材料、工場などの施設費などが挙げられます。
また起業時の投資だけでなく、最低3か月の運転資金は必要です。物を作って売ることで初めて売上が立つのが製造業なので、3ヶ月は利益が出なくとも資金繰りができる程度のゆとりがなくては成立しません。
資金調達の手段は、以下の5つが挙げられます。
- 自己資金で賄う
- 自社株式発行による出資提供
- 金融機関からの融資
- 国・自治体の補助金・助成金制度活用
- クラウドファンディング
一部を自己資金、残りは金融機関からの融資で起業している製造業者が多数です。ご自身に適した資金調達方法を選びましょう。
市場の需要に着目する
市場に需要がなければ、製品を製造しても販売につながりません。販売できなければ卸会社からの注文もなく、利益が生まれないのです。このため製造業で起業する際には、市場の需要に注目して製品開発をする必要があります。
化粧品製造業の株式会社ウエルシーライフラボは「日本の成人女性におけるアトピー性皮膚炎の患者数は500万人」である点に注目し、防腐剤や界面活性剤を一切使わない化粧品の開発に踏み出しました。
このような製品を作るには費用・時間が膨大にかかりますが、他の製造業者がやらない、しかし需要があることを実践した結果、ヒット商品が生まれました。(参考:第2部 小規模事業者の挑戦 ―未来を拓く― 中小企業庁)
この例からも、製造業をただ立ち上げるのではなく市場の需要に注目した製品開発が成功の鍵を握っていることが分かります。
経験・人脈を活用する
中小企業白書が公開した「起業した事業の成果が得られている要因」では、過去の経験・人脈が最大の成功要因であることが示唆されています。
製造業と言えど、販売先(人脈)やノウハウ(経験)が重要です。起業の際には、これまでの経験を生かせる所を狙いましょう。
製造業で起業するには?まとめ
今回は「製造業で起業するにはどうすればいいのか?」という疑問にお答えするために、4つのコツを解説しました。食品や医療など、業界によって詳細は異なりますが、全ての製造業に必要なコツは以上になります。製造業の起業はハードルが決して低くありません。ぜひ、入念な準備をして向かいましょう。