一人で会社を作る前に「メリットとデメリットを知っておくだけ」で成功率が高まることはご存知でしょうか。
メリットは…
- 節税対策の幅が広がる
- 資金調達が個人よりも簡単
- 責任が有限である
- 人材確保がしやすい
- 事業運営や営業活動が有利
デメリットは…
- 税務申告が複雑
- 資産区分が必要
- 社会保険料が高い
- 会社設立・運営コストがかかる
特にデメリットを理解することで、一人で会社を作る際にリスクを避け、事前に倒産を防ぐことができるようになるでしょう。
実際メリットだけに注目すると良いことばかりが目に入り、一人で会社を作った後に思わぬ出費などがかさみ、財政圧迫につながることもあります。
この記事では、アントレカレッジでお伝えしている一人で会社を作る際の方法やメリット・デメリットをお伝えしていきます。
- 法人化することで節税効果を得られる
- 他にも資金調達、人材確保などが容易になる
- ただし税務申告が複雑に、社会保険料が高くなる…
- 株式会社で20万円〜、合同会社で6万円〜起業が可能!
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「一人で会社を作る」とは?
一人で会社を作るとは、起業家が自分一人で会社を立ち上げ、経営することを指します。
新会社法が2006年5月に施行される以前は、株式会社を設立する際に必要となる資本金が最低1,000万円、また取締役も3人必要でした。
ところが同法律により有限会社の規定がなくなり、株式会社が制度的には1円以上、取締役も一人以上で設立可能となりました。
それ以降「一人会社」とも呼ばれる、一人で会社を作ることで運営が可能となったものです。
現在では新たに法人を立ち上げる場合、ほとんどが株式会社(全体の67.5%)か、合同会社(同23.1%)となっています。
下図を見ると、新設法人の4社に1社が合同会社を作る選択していることが分かります。
なお、法人の形態としては株式会社と合同会社以外に下記の2種類が存在します。
- 合資会社
- 合名会社
このことからあまり選択されていない状況なので、この記事では解説を割愛します。
個人事業と一人で会社を作ることの違い
個人事業と法人の違いは、その事業が「誰に帰属するか」という点になります。
起業する際には、形式にとらわらずフリーランスで仕事をしたり、税務署に個人事業主として開業届けを出すことで、一人で事業を行うことも十分可能です。
一方、一人で会社を作る際には、たとえ自分一人で活動する場合でも、法人としての登記が必要になります。
例を挙げれば、Aさんが個人事業主であった場合、利益も損失も全ての責任を負う必要がありますが、一人会社の社長だった場合は、いくら借金があっても、責任は出資額の範囲に限定されます。
一人で会社を作るメリット
まずは一人で会社を作る際のメリットについて以下の4点を解説します。
- 節税効果の幅が広がる
- 資金調達が簡単
- 有限責任
- 人材確保が簡単
- 事業運営
一人で会社を作るメリット1:節税効果の幅が広がる
一人会社の場合、節税対策の幅が広がるメリットがあります。
個人事業主の場合は、青色申告での損失繰り越し3年なのに対し、法人の場合は9年間まで可能です。
また、社宅や出張・旅費規程による節税対策など、節税対象となる項目の幅も広がります。
一人で会社を作るメリット2:資金調達が簡単
事業資金の使途などについて、個人事業の場合は区別されてないのに対し、法人の場合は会社と個人の使途が明確に区別されています。
融資・出資する側からみれば、使途が明確化されている法人のほうが信頼性が高く、融通しやすいのが実情です。
一人で会社を作るメリット3:有限責任
前述のとおり、個人事業主の場合事業に対する責任は無限であり、法人の場合は有限です。
例えば、500万円の資金で起業し、2,000万円の借金を背負った場合、個人事業主は全額を背負う必要がありますが、法人の場合は自分が出資した500万円を失うだけで済みます。
一人で会社を作るメリット4:人材確保が簡単
人材を募集・確保する際に、法人の場合は事業の裏づけとなる出資金が明示されており、法人であるという信頼感や安心感があります。
一方、個人事業者が外部から広く人材を確保するのは、ごく一部の例外を除いて非常に困難です。
一人で会社を作るメリット5:事業運営
法人であることから、会社の信用度が上がり、事業運営や営業活動が有利になります。
個人事業と実態が変わらなくても、法人の看板で信用度が高いとみられ、営業や取引先開拓の際に有利です。
一人で会社を作るデメリット
次に一人で会社を作る際のデメリットについて以下の4点を解説します。
- 税務申告
- 資産区分
- 社会保険料
- 会社設立・運営コスト
一人で会社を作るデメリット1:税務申告
個人事業主が必要なのは確定申告だけですが、法人の場合は、貸借対照表や損益計算書、また各種税務申告書類を整えて所轄の税務署に所得を申告し、納税する必要があります。
この作業のため、税理士費用が必要となる場合があります。
一人で会社を作るデメリット2:資産区分
法人の場合、個人の資産と法人の資産を区別する必要があります。
そのため、個人事業では毎月の資金使途に制限がないのに対して、法人では役員報酬を勝手に増減することができないので、会社が儲かっても社長が儲からない場合もあります。
一人で会社を作るデメリット3:社会保険料
個人事業主の場合は国民年金保険、法人は厚生年金保険に加入します。
一般的に、厚生年金保険の保険料(社員の保険料の半額を会社負担)は国民年金保険の保険料よりも高いため、資金繰りに影響する場合があります。
一人で会社を作るデメリット4:会社設立・運営コスト
会社を設立するためには一定の費用が必要です。理論上は1円で設立できるとしても、実際に会社を運営するには少なくとも100万円程度の準備金が必要です。
また、設立後もオフィス賃料や税理士等費用、決算公告関連費用など、様々な運営コストが発生します。
法人所得に対する実効税率が30%弱である一方、個人事業主の所得税の税率は所得900万円から33%となります。
このため、一般的には個人事業主の所得が800〜900万円を超えたあたりで法人成りするのが税負担を軽くする観点で良いタイミングだと言われています。
一人で会社を作るのに必要な費用と手続きは?
次に、一人で会社を作る際に必要となる費用と手続きについて解説します。
費用
一人会社を設立する場合に必要となる公的費用は、株式会社と合同会社それぞれで異なります。
株式会社の場合 20万円〜
登録免許税:15万円~
合計:20万円~
合同会社の場合 6万円〜
登録免許税:6万円~
合計:6万円~
その他にも細かい諸費用が必要ですが、費用全体でいえば合同会社が格安といえます。
手続き(タスク)
一人で会社設立する際には、主に次の手続きが必要となります。
1.定款の作成
会社の目的やビジョン、基本ルールを定めたものが定款で、まずはこれを作成する必要があります。定款には、会社の運営に必要となる基本情報が記載されます。
主な記載内容は次のとおりです。
・商号
・本店所在地
・設立に際して出資される財産の価額、または最低額
・発起人の氏名、住所
定款の記載内容については、日本公証人連合会の株式会社の定款記載例などを参照してください。
2.法務局への法人設立届出
その後、所轄(本社所在地)の法務局に法人の設立届を行います。それに伴い必要となる書類(絶対的記載事項)は以下のとおりです。
・登録免許税分の収入印紙を貼付けた用紙(A4)
・定款
・代表者(取締役)の印鑑証明
・資本金の証明書類
・印鑑届出書
手続きの詳細については、法務局サイトを参照してください。
3.設立後の各種手続き
法人設立届後、概ね一週間程度で登記が完了します。その後、法人設立した旨を管轄の税務署や都道府県、また市町村事務所、年金事務所などに届け出る必要があります。
手続きの詳細については、各種の案内がweb上で多数展開されているので、確認していただければと思います。
個人事業主から法人設立がおすすめ
ここまで一人で会社設立をする際の手続きなどを解説してきました。
個人事業主と比べると節税や社会的な信頼性などの面でメリットがある法人設立ですが、アントレカレッジでは個人事業主から始めることを推奨しています。
理由は下記の通りです。
- 法人設立は手間・費用がかかる
- 個人事業を安定させてから法人化した方が確実
個人事業主は無限責任が問われることは述べましたが、当スクールでは小資金で成功率の高いフレームワークを提供しており、失敗した場合にも被る責任を最小限に抑えることができます。
また法人設立の手間は大きいため、手続き完了時には商機を逃してしまっていたり、モチベーションがキープできなかったりとネガティブな点も見逃せません。
事業の内容や規模にもよりますが、基本的には個人事業主として始めて事業展開が必要となった段階で法人化するという流れがシンプルかつリスクも少ないためおすすめです。
まとめ
起業家として活動する際に、フリーランスや個人事業主ではなく、法人化して一人で事業を開始する(一人会社)際の方法とメリット・デメリット、また費用と手続きなどについて詳しく解説しました。
将来にわたって事業を拡大・発展させるためには、ある程度のしっかりとした組織や基盤を整えたほうが総合的なメリットが大きいでしょう。この記事を読んで、今後の事業の方向性の参考としていただければ幸いです。
また、急に会社を辞めて起業よりも、会社員の間に準備を進めることをおすすめします。脱サラ完全ガイドをぜひご一読ください。