起業とは「8つの代表的な方法」に分けることができるのはご存知でしょうか?
この8つの代表的な起業方法とは以下のとおりです。
- 個人事業主
- 会社設立
- プチ起業
- 1円起業
- 社会起業
- IT起業
- ネット起業
- SNS起業
この起業方法8つを把握することで、自分がどの起業方法に向いているのか理解することができ、起業に向けてやるべきことが明確になります。
やるべきことが明確になれば、起業の成功確率は格段に向上するでしょう。
実際、1円起業は1円で登記できるという意味であり、「1円あれば商売ができる」と誤解して起業してしまうと失敗する可能性は高いです。
アントレカレッジではこれまで100種類以上の業種でさまざまな形態の起業コンサルを行ってきましたので、幅広い起業成功ノウハウが蓄積されています。
8種類の起業方法を解説し、それぞれの起業で重点を置くべき場所についてこの記事でお伝えしていきます。
- 起業、創業、開業、独立はそれぞれ異なる意味を持つ!
- 起業と一口に言っても8種類に分けられる
- 目標と事業を決め、コンサルに相談し、資金確保が企業への道
- 起業については、他にも資金調達やビジネスの基本用語など知ると知らぬで大きく変わることが多数!
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起業とは何か
まずは前提として「起業とは何か」について説明しましょう。
起業とは「業」を「起こす」こと、すなわち新しい事業を始めることを指します。
ベンチャー企業を起ち上げたり、フリーランスをしたり、個人でお店を経営したりするなど、起業の仕方にも多様な選択肢があります。
ただし、既存の事業を継承したり、今まで取り組んできた事業を拡大したりする場合には起業ではありません。新規事業を考案して開始することを意味するのが起業の特徴です。
起業と関連する言葉との違い
起業に関連した言葉に「創業、開業、独立」があります。
創業とは何か、または開業とは何かなどについて考えたことはあるでしょうか。どの言葉も新しい事業の開始と関連性が深いのは確かですが、何が違うのか見ていきましょう。
創業とは
創業とは「業」を「創る」ことを意味します。新しいビジネスプランを創出して事業を始めるという点では起業と同じ意味合いを持つ言葉です。
起業と異なるのは、新しく事業を起ち上げた事実を過去に遡って言及するときに用いられる点です。
「創業10周年」「2000年創業」という使い方はできますが、「2050年創業予定」「1年後に創業する」といった形では使用しません。
起業の場合には現在から未来において事業を始めるときに用いるのが基本で「2050年起業予定」「1年後に起業する」という表現がよく用いられています。
開業とは
開業とは「業」を「開く」ことを指すので、やはり事業を始める意味を持ちます。
個人が事業を始めるときに開業という言葉を使用されることが多いです。
また、新店舗開業という表現も用いられるため、店舗やサービスなどを拡張した際にも開業という言葉が使われる場合があります。
また法人が会社を起こす際にはあまり「開業」とは言いませんが、個人事業主の場合には「開業」とよく言われますね。この点も違いの1つでしょう。
独立とは
独立とは「独り立ち」をすることを意味します。社会人として働いていた人が会社を辞めて事業を始めるときに用いられる言葉です。
起業や開業と同じ意味で使われることも多いですが、独立の場合には会社員として働いていたときに携わっていた仕事と関連性が深い事業を始めるのが特徴です。
会社で働いていた人が独立して子会社の経営者になるというケースでも独立という言葉がよく用いられています。
つまり、独り立ちした段階で独立とは言えますから、起業より一歩手前で使用することができる言葉なのです。
起業の代表的な方法とは
ここまで「起業とは何か」について、関連性の高い語句と共に解説しました。
次に「起業の代表的な方法とは」というテーマで8つの方法を紹介します。
個人事業主とは
自分自身が事業主となって経営する起業方法を個人事業主と呼びます。
個人事業主になるには税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するだけなので比較的簡単です。
この開業届には事業所の所在地や事業内容を記述する必要がありますが、費用も労力もほとんどかけずに起業し、経営者として手腕を振るうことができます。
会社設立とは
会社設立とは、事業目的の組織を起業する方法です。会社としては株主を募って資金調達をする株式会社と経営者自身が出資をする合同会社が主流です。
どちらの場合にも法人格を取得し、経営者の資産とは区分された会社の資産を使って事業を進めます。
会社設立をすると法人として認められるため、社会的な信用が高いのが特徴です。そのため、銀行から融資を受けたり、他社との業務提携をしたりする上で有利になります。
ただ、起業の際には法人登記が必要なので費用負担が大きくなります。
プチ起業とは
プチ起業とは、個人でできる範囲の小規模なビジネスを意味します。仕事経験や趣味、特技などを生かして楽しく自分らしい仕事をしてお金を稼ぐことを目指します。
1円起業とは
1円起業とは、資本金1円で会社設立をする方法です。そして、資本金とは事業を始めるための初期費用と当面の運転資金を指します。
2006年の会社法改正によって資本金は1円でも認められるようになりました。
改正以前は株式会社の設立には1,000万円の資本金が求められていましたが、1円でも起業するだけなら可能になっています。ただ現実的には1円で済ませられるのは資本金だけです。
法人登記の登録免許税は必須で、株式会社の場合には定款認証のための費用もかかります。事業展開に必要な設備資金や運転資金も調達してようやく起業できるのが実情です。
社会起業とは
社会起業とは以下3つに定義されています。
- 社会性
- 利益の追求
- 革新性のある起業
社会性とは、貧困や教育、地方の活性化や少子高齢化、子育てや介護など、現代社会が抱える様々な弊害や問題点の解決にフォーカスすることとされます。
このため社会起業から生じる利益は、株主への還元よりも社会的活動への投資や事業継続・拡大に使われます。
そして革新的な方法で社会問題に取り組む一方、長期的に社会貢献を継続させることが必要です。
こうした活動の結果、起業後も社会的責任を果たし、また倫理や公序に貢献する視点を磨き上げていくことが、社会起業の基本的な姿勢です。
社会起業の形態は特別に定められていません。株式会社をはじめ、保証有限責任会社や産業・共済組合、コミュニティ利益会社、一般社団法人など、様々な組織形態での起業が可能です。
IT起業とは
IT起業とは、IT業界での起業を指します。
斬新で目新しい商品やサービスを考案し、社会に対して大きなインパクトを与えることで注目されます。GAFAMがその代表例です。
IT起業の代表的な地域として米国シリコンバレーが挙げられます。
最先端技術が集約し、多くのスタートアップ企業が革新を生み出すIT業界に魅力を感じて参集します。
IT起業は最新のITを習得・活用できる以外に、他の産業分野と比較して初期投資が少なくてすむメリットや短期間で効率的に起業できるメリットがあります。
競合も激しいですが、リターンも莫大で、GAFAM以外にアリババやメルカリなど、近年登場した多くの大企業はIT起業家によって生み出されています。
IT起業には最低限コンピューターテクノロジーをベースとしたITに対する理解と一定のスキルが必要です。
大学や専門学校などで起業に必要なITスキルを学ぶことで、IT起業家への素養が養えます。
ネット起業とは
ネット起業は、事業の全てをネットで完結する事業形態を指します。
例えばパン屋でいえば、これまで店頭でパンを販売してきたパン屋がネット販売を始めた場合、ネット起業ではなく、ネットの活用となります。
例えばネットショップでの起業では、商品紹介・売買・配送・決済完了までの全工程がネット上で完結します。
ハンドメイド商品をネット上で販売し、売買から配送、代金決済まで全ての肯定がネット上で完結する場合はネット起業と言えます。
ネットショップに限らず、動画販売や情報商材提供、ネット広告掲載など、ネット起業にも種類が豊富です。
ネット起業は小資金で開業できるメリットがあります。また、時間・空間の垣根がないため、世界中のユーザーの目に触れ、購入されるチャンスがあります。
SNS起業とは
SNS起業とは、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSサービスを活用して起業する形態です。
ひとりで始められ、広告・宣伝費用などのコストも一切不要なところがSNS起業の利点です。
SNS上の顧客は自分とつながっているユーザーなので、開発し、提案する商品やサービスをターゲット顧客に紹介する形となります。
このため、きめ細かい顧客対応やフォローが可能となり、1on1でのビジネスとして有望です。
SNS起業では、SNSへの投稿という形でビジネスを展開するため、文章や写真・動画などを通じて商品やサービスをアピールします。
これに伴い、商材を表現するアピール能力、魅力を正確に伝える文章力が求められます。
そして、最も大切なスキルは「投稿を継続する」です。
個人的なつながりをベースとするビジネスなので、常に商品やサービスが最新の状態でアップデートされているという信頼感がポイントです。
SNS起業の歴史は浅いですが、アントレカレッジでも注目しており、いち早く「SNSマーケティング講座」を開設しました。
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起業に必要な準備とは
個人事業主でも会社設立でも起業するのには準備が欠かせません。
起業するとはどういうことなのかを詳しく理解するために、一般的に起業時に必要になる準備について以下の流れを見ておきましょう。
1. 起業目的と事業内容の決定
起業するには明確な目的を立てて、事業内容を決めることが必要です。
経営者になって事業をやりたいという漠然とした気持ちで、起業自体を目的にする人もいます。
しかし、目的意識を持って起業しなければ事業を挫折することになりかねません。
もちろん起業してお金を儲けたいというのが本音でも構いません。
高齢化対策に協力したい、教育の悩みを抱えている人を助けたいといった社会貢献の気持ちを込める考え方もあります。
このようにアントレカレッジでは「逆算型の計画」を推奨しています。
つまり、ゴールを先に決めてしまい、それを実現できる選択肢を選ぶということです。
例えば年商1億円を達成したいのであれば、縮小傾向にある業種を選ぶことは不適切です。
どの業種を選べばゴールできるのか、夢が叶えられるのか。先に目的を決めることで、現実的な道筋を立てることが可能なのです。
2. ビジネスモデルの策定
起業したら利益を出さなければなりません。ビジネスモデルを考えて収益を得る仕組みを作り上げるのが起業する際には重要になります。
市場調査をしてニーズがある事業かどうかを検討し、利益を生み出せるビジネスモデルを策定しましょう。
ただし、当スクールでは起業前にしっかりとした事業計画書を立てることは推奨していません。
それよりも「この時点」で「成功できる業種」を選ぶことこそが大事だからです。
中には何ヶ月もかけて事業計画書を作る人もいますが、作り出してから始めるまでに競合他社が既に事業を始めてしまっているケースもあります。
3. コンサルタントへの相談
起業して成功できるビジネスなのかどうかを判断するのが素人では難しいこともあります。
本当に利益を得られる可能性があるのかが不安になったときには起業コンサルタントに相談しましょう。
第三者の視点から収益性のある事業なのかを評価し、改善の方策を提案してくれます。起業に必須というわけではありませんが、初めての起業ならコンサルタントに意見を求めておくと安心でしょう。
4. 事業資金の調達
起業アイデアが明確になって利益を得られるビジネスを進められると考えられたとしても資金がなければ起業することはできません。
事業資金の調達を事業の検討と並行して進めることが必要です。
事業資金は個人事業主の場合には自己資金から大半を供出します。貯蓄や投資を通じて資金を工面して起業するのが一般的な流れです。
一方、会社を設立する場合には外部調達をしやすくなります。
事業計画書を作成して予算を考え、銀行融資やクラウドファンディングなどを活用して必要な資金を獲得することが起業には欠かせません。
それよりも自己資金でできることをやる「身の丈経営」がおすすめ。低資金でも成功できる方法をアントレカレッジでは指導しています!
起業時に役立つツールや本、Webサイトなどについても別記事で解説しました。これらの記事もぜひご参照ください!
起業時の資金調達方法
どのような起業でも資金が必要です。
IT起業のように、自己資金で賄える規模のものから、製造業のように大規模な投資が必要な事業までありますので、自身に適した資金調達方法を知っておくと良いですね。
本項では、起業時の資金調達方法について解説をします。
自己資金で始めるのがおすすめ
資金調達を考える前に、自己資金で起業ができないか考えるべきです。起業が成功するか不明の状態で融資を受けると、廃業後に負債だけが残るからです。
まずは自己資金で運用できる規模で始め、資金を作ってさらに規模を広げる流れが安全です。
融資を受ける
それでも資金調達が必要であるならば、融資という手段があります。
- 日本政策金融公庫
- 補助金制度
- 助成金制度
ただし、補助金・助成金制度は申請から貸与までに期間があり、起業前資金ではなく経営資金として受給されるパターンがほとんどです。
唯一、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、起業前後に無担保・無保証人で融資が受けられる制度です。
VC・投資家などから出資を受ける
ベンチャーキャピタル(VC)や投資家から出資を受ける選択肢もあります。
ただし、利益が出た後に株式を売却する必要がありますので、経営最良が出資者である株主に制限される懸念があります。
下記のように起業家と出資者のマッチングサービスがありますので、人脈がなくても出資を受けることはできます。
クラウドファンディングを活用
不特定多数の支援者から支援が受けられるクラウドファンディングも利用できます。事業のミッションに賛同が得られれば、支援金が期待できるでしょう。
一方ミッションがなく無機質に「稼ぎたい」という目的の事業とは相性が悪く、成功することは難しいでしょう。
まとめ
起業とは新しい事業を始めることで、個人事業主になるか会社設立をするのが代表的な方法です。経営者として自分がやりたい事業を進められる魅力があります。
起業するには目的を考えて利益を生み出せるビジネスモデルを策定し、事業に必要な資金の調達をする必要があります。事前準備が大変なのは確かです。
しかし、起業は自己実現をしやすい魅力があります。今後の社会での働き方を考えるなら企業も選択肢として検討してみましょう。