起業と経営の違いとは「4つの項目」によって大きく分けられます。
その4項目は以下のとおりです。
- 役割
- 企画or運営
- 価値創造or継承
- 経営判断の裁量と責務
この4項目によって起業と経営の違いを理解することで、事業を立ち上げてから成長・拡大のプロセスで自分の役割を明確化し、その時々で適切な立ち振る舞いが可能となります。
また、現在では年商50億円を超える経営者でもありますが、起業と経営では注力すべき事柄が大きく異なるんです。
この点を心得ていないと、起業〜経営のプロセスで問題が生じる可能性が大きいんです。
そこで「起業と経営の違いとは」について、要点を絞って本記事でお伝えしていきます。
起業の手順や資金調達の方法などを知りたい方は、別記事に詳細にまとめましたのでご覧ください。
- 起業とは事業の成功へ向けてあらゆるリソースを投入するプロセス
- 組織が計画どおりに行動し、企業体を保つプロセス
- 起業家と経営者の役割を明確にすれば起業は成功する
- 起業については、他にも資金調達やビジネスの基本用語など知ると知らぬで大きく変わることが多数!
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起業・開業・独立・創業・経営それぞれの違いとは
よく事業を始める際に、起業・開業・独立・創業・経営など様々な表現を耳にしますが、それぞれの意味をご存知でしょうか。
事業経営を始める際、何となく「起業」という言葉を使っている方もいるかもしれませんが、経営など他の言葉にも明確な違いがあり、受けられる支援や対象となるセミナーなどが異なる場合があります。
そこで本項では起業・開業・独立・創業・経営の言葉の意味を分かりやすく説明します。
起業とは
起業とは、文字通り「業を起こす」、すなわち新しい事業を始めることを指します。
最近では、起業という表現が、ベンチャーやスタートアップといった、新しい事業の概念を示す表現と関連づけて取り上げられるようになっています。
起業が社会から期待される役割としては、革新的なアイデアや技術をベースとして新規事業に参入し、世の中に新しい価値を提供することが挙げられます。
また、イノベーションを通じて既存のサービスや商品を画期的に進歩させ、これまで課題とされていた問題点を解決することが大きな使命といえるでしょう。
続いて、起業と混同されやすい表現でもある開業・独立・創業について、それぞれ解説していきます。
開業とは
開業も新しく事業を始めることを意味しますが、その違いは「誰が事業を始めるか」という点にあります。
開業は、法人としてではなく、個人が新しく事業を始める際に用いられる表現です。例えば、個人で飲食店や古着屋を開業する場合などがこれに該当します。
呼び方の由来としては、個人が事業を始める際に所轄の税務署に開業届を提出することからきているともいわれています。
独立とは
会社を辞めて独立する場合など、イメージとしては起業に近い感触がありますが、実際には独立と起業は異なった概念です。
独立のより鮮明な意味合いとしては、自分以外の他者に頼らないことで、具体的には会社を退職した後、どこにも属していない状態を指します。この状態を経て、その先に実際に起こすアクションが起業となります。
創業とは
創業は、起業や開業と同じく、新たに事業を始める意味ですが、位置づけが異なります。
普段よく耳にする言葉として、企業の「創業○周年記念」や、「昭和○年創業」などと表現されます。
このことから、創業は過去に事業を開始したことを表すのが一般的です。
続いて、起業や開業、独立や創業など、「新たに事業を起こす」業態とは根本的に異なる概念である、経営について解説していきます。
経営とは
経営とは、起業後に事業を安定的に維持継続・拡大させるための継続的な商行為を指します。
事業の経営にあたっては、起業時に起業家が生み出したあらゆる資産や価値を継承し、利益をさらに拡大させていくことが経営者に求められます。
経営者は、事業運営の結果が会社の存続に直接影響していくので「必ず利益が上がる」という論理的な根拠に基づき、企業経営を行う必要があります。
ここまで見てきたように、事業を起こすこと(起業)と、事業を継続して維持・拡大させること(経営)とは全く異なる概念です。
起業・開業・独立・創業・経営の違い まとめ
下記に起業・開業・独立・創業・経営の違いをまとめた表を掲載します。あなたがこれから挑戦しようとしているのが、どれに当たるのか特定しましょう。
起業家と経営者の違いとは
起業家は立ち上げた事業を経営する中で「経営者」となります。
アントレカレッジの「3つのフェーズ」では、経営に求められる資質が変わるとしています。
すでに経営者的アクションが必要なフェーズに入っているのに起業家としての立ち振る舞いを切り替えられない。これもまた経営を失敗する理由の1つです。
そこで本項では起業家と経営者の意味をさらに深掘りして見ていくことにします。
起業家とは
起業する人(起業家)はアントレプレナーと呼ばれ、その理念やポリシーは起業家精神(アントレプレナーシップ)と称されます。
経営者とは異なり、事業に関する全てのリスクや責任を負います。
事業のリスクを覚悟で挑戦する姿勢が求められるため「必ず事業経営を成功させる」という強い意志と、綿密な計画が大切となります。また、事業を成功させ、経営の維持・拡大するためには、旺盛な起業家精神と、イノベーションが必要となります。
起業家には、常に新しい機会や懸念に対して臨機応変に対応し、こうした取り組みを通じて新たな事業を創造し、革新をもたらすことが求められます。
そして、事業経営にあたっては、組織のメンバーと共に、事業の成功へ向けてあらゆるリソースを投入しながら進めでいきます。
事業経営を開始するには、起業にあたっての目的やビジョンなどを定めると同時に、その裏づけとなる資金調達も必要となります。
経営者とは
経営者には、事業の目標に焦点を合わせ、様々な企業行動が計画どおりに実施されているかを確認する責任があります。
また、経営者および、取締役以上の経営陣は、企業組織を運営する責任を負います。そのため、経営者には、企業に所属する社員全員を統括し、仕事の成功を勝ち取るための「結果」が求められます。
経営者には、リーダーシップを継続するためのスキルや時間管理も必要となります。また、従業員や取引先など、社内外のあらゆる関係者からの信頼を勝ち取ることも大きなポイントです。
その上で、事業を継続・拡大させるための管理能力が必要不可欠な資質となります。
経営陣は常に全従業員に対して、現状や今後の方向性などについて明確な指針を示す必要があります。
経営者として会社すべての部署が適切に連携しており、組織を目標と達成に向けて導いていることを保証する責務があります。
起業家と経営者の意味 まとめ
下記に起業家と経営者の意味をまとめた表を掲載します。まずは2者の意味合いについて整理してみましょう。
起業家と経営者の違い
さらに起業家と経営者の主な違いについて解説していきます。
起業家と経営者の違い1:役割
起業家は、事業を通じて利益を獲得するためにあらゆるリスクを冒して事業を立ち上げるのが大きな使命です。
これに対して、経営者は合理的で適切な事業計画を策定し、また組織編成や従業員への業務指示・管理を徹底しながら、事業の拡大・成長を目指す経営を行います。
起業家と経営者の違い2:企画と運営
起業家は新たなビジネスモデルを提示し、社会に変革をもたらす企画を立案・推進しますが、経営者は事業の進行を確認しながら事業管理を徹底していきます。
起業家は組織の創業者でもあり、組織体の全責任を負いますが、経営者の場合は、多くの従業員を指導育成し、管理することが大きな責務です。
また、起業家は自分が立ち上げた事業から得られる利益を自分の報酬として獲得することが可能な一方、経営者は、自分の与えられた事業運営という仕事に対する報酬を企業から受け取ります。
起業家と経営者の違い3:価値創造と継承
起業家が事業の全てに対してリスクを負う「リスクテイカー」であるのに対し、経営者はリスクを負いません。
また、起業家はイノベーターとして自分のアイデアを商品やサービスを通じて社会に提供しますが、経営者はそのアイデアを忠実に実行する執務者です。
起業家と経営者の違い4:経営判断の裁量と責務
起業家は自分の裁量と意思で事業の最終ゴールを設定するのに対し、経営者は設定されたゴールへ向けて忠実に、また周囲の環境を分析しながら進んでいきます。
「起業家」の意味を明確にして起業を成功させる
起業するにあたり、開業・独立・創業・経営との違いを理解する必要ことで成功確率を上げることができます。
先述の通り、各言葉に対して有益なセミナーや支援制度などが分かれていることがあるからです。
まとめ
この記事では、よく耳にする「起業」「開業」「独立」「創業」と、「経営」というそれぞれの意味の違いについて詳しく解説してきました。
起業とは新たな事業を起こすことであり、経営とは事業を継続して利益を拡大させる行為です。
企業経営を長期的に行うためには、大きな覚悟と成功ビジョンを掲げて起業し、その後も安定的に事業を拡大させるための経営努力が重要となります。
この記事を読んで、起業と経営について理解し、事業の成功を勝ち取っていただくよう願っています。