不動産業で起業するには?起業準備や必要資格・免許を9ステップで解説

「不動産会社で起業するには、何から始めればいいのだろうか?」とお悩みでしょうか。不動産業を始めるには、免許取得・資格保有者の確保など他業種とは異なる準備が必要です。

そこで本記事では、不動産会社を起業するためのステップを9段階に分けて解説。不動産業を始める準備の全体像を把握しましょう。

不動産業で起業するには?起業準備9ステップ

不動産 起業するには 準備

早速、不動産業で起業するための9ステップを解説します。

業務形態の決定

不動産業は4つの業務形態に分けることができます。まずは、どの形態での起業を目指すのかを決めましょう。

賃貸仲介業

不動産の賃貸・売買時に買主・貸主(売主)の仲介をする

賃貸管理業

住宅清掃などの維持保全業務や家賃などの管理業務を行う

売買仲介業

物件販売の営業活動を行う

不動産デベロッパー

宅地造成・リゾート開発・ビル建設などの事業の主体となる

個人事業主・法人の決定

次に個人事業主で起業するか、法人設立するかを決定します。

個人事業主

開業に費用がかからず起業自体はすぐにできますが、社会的信用は低い傾向にあります。

法人

個人に比べると社会的信用が高く、税制優遇があります。一方、法人設立時の処理が多く、費用がかかります。

事業計画の作成

次に事業計画を作成しましょう。事業内容や開業時期、想定顧客層などを詳細に決めます。なお金融機関からの資金融資・出資を受ける際にも事業計画書が必要となります。

起業資金の調達

不動産業で起業する場合、当面の経営資金も含めると1,400万円程度かかります。

  • 営業保証金:1,000万円
  • 株式会社設立費用:約25万円
  • 宅建協会への入会金:約150万円(地域で異なる)
  • 宅建都道府県庁申請料:約13万円
  • 初期費用・運営資金:約200万円

事務所の契約・準備

宅建業法で事務所が必須要件として定められています。そのため、資金調達後は事務所の契約・準備に進みましょう。

事務所選びで重要なことは以下です。

  • 路面店で集客がしやすい
  • 事業計画で設定した顧客層が来やすい
  • 宅建業法の要件を満たしている(出入口の有無など)

また、事務所が使えるようになった段階で営業に必要な備品を揃えましょう。

  • デスクやチェア、パソコン、コピー機の設置
  • 固定電話やインターネットの契約・設置など

宅地建物取引士資格の取得・保有者の確保

宅建業法で「専任の宅建士の設置」が必須要件として定められています。このため、宅建士を確保するか資格の取得が必要です。

また宅建士の人数は「従業者5人あたり1人」という決まりがあります。例えば従業員が9人の場合、必要な宅建士1.8人となり、実際の運用では2名の宅建士を確保する必要があります。

宅地建物取引業の免許取得

不動産業で起業する際には、宅地建物取引業の免許を取得する必要があります。また、この免許を取得する際には以下の要件が定められています。

  • 不動産事務所の設置
  • 営業保証金(本店1,000万円・支店500万円)
  • 宅建士の設置

この免許の取得は申請から2ヶ月ほどかかり、有効期限は5年。都度更新が必要です。

営業保証金の供託

法務局が管理する供託所(本店最寄り)にて営業保証金を供託し、免許日から3ヶ月以内に免許庁に届出を提出します。

ちなみに不動産保証協会へ加入し弁財業務保証金分担金を供託した場合は、それを営業保証金の供託の代わりにできます。

開業

供託後に免許が交付されます。その後、不動産業の開業ができます。

不動産会社で起業するには?まとめ

本記事では、不動産業で起業する方法を9つのステップに分けて解説しました。全体像を把握した上で準備に取り掛かると計画的に開業に向かえるので、ぜひ本記事を熟読していただければ幸いです。