大住力氏インタビュー「一度しかない人生で起業に挑戦するにはどうしたらいいのか」

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー

Amazonレビューでも好評を博している『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』

その著書・大住力氏は「公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を」代表理事や「ソコリキ教育研究所」所長、「日本ライフイズ・ア・ジャーニー協会」代表など、幅広く活躍をされています。

今回の記事では、そんな大住氏に「一度しかない人生で起業に挑戦するにはどうしたらいいのか」をテーマにインタビューをしました。

起業とは「世の中にないものを作ること」

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー

小澤:今回のインタビューでは、「一度しかない人生で起業に挑戦するにはどうしたらいいのか」というところを大住さんにお聞きしていきたいと考えております。まず、大住さんにとっての起業とはそもそも何なのでしょうか。

大住:私は元々ですね、起業を第一目標として、したわけではありません。結果的に、起業の要因で1番大きかったことは、自分がやりたいと決めたことがこの世に無かったので、それで起業したということです。

今Wikipediaなんか見させて頂くと『社会起業家』とか書かれているんですけども、自分は正直こそばゆい感じです。だけれども、やっぱり世の中に無いものでそれが自分がやりたいと思えば、世の中にないので起業せざるを得ないと思いまして、起業したというのが正直なところです。

小澤:なるほど。じゃあ、大住さんにとって起業とは「世の中にないものを作ること」ということでしょうか。

大住:そうですね。世の中で起業家と呼ばれている方を色々調べさせて頂いたら、世の中に無いものを作っていきたいという方が多いような気がしています。だから、私もそういった流れが自然だと思っています。

例えば金持ちになりたいとか、誰にも指示されたく無いとか、そういったことのために起業される方もいらっしゃるかもしれません。でも、私にとっては決してそこが1番大事なところではないんですよね。

小澤:お金を稼ぐことや起業家としての自由度は、一番のメリットじゃないと。

大住:そうです。だから、今この世の中にないものを作ることこそが起業することの価値なんじゃないかな、と思っているんです。

小澤:極論を言ってしまえば、税務署に開業届さえ出してしまえば起業自体はできてしまいますよね。でも、そこは「How」の部分であって、「Why」の部分ではありません。でも、この「なぜ起業するのか」というところがとても大事なんですよね。

起業から生み出したかったもの

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー
TOKYO 2020オリンピック時の指導光景

小澤:先ほど「起業とは世の中にないものを作ること」とおっしゃっていました。では、大住さんが起業で新しく生み出したかったものとは、そもそもなんだったのでしょうか?

大住:もともと私はディズニーで働いていた、いわゆる組織人、サラリーマンでした。

小澤:著書『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』にも書かれていましたね。

大住:ディズニーの人材育成って素晴らしいと言われることが多いんです。「ディズニーは本当にスタッフのモチベーションが高くて、仕事に生き生きワクワク取り組めている」と。

ディズニー流人材育成の本もありますが、そういった本の感想は「ディズニーに行きたくなった」とか「働いていみたい」とか、そういう声が多いんですよね。

でも、実際にディズニーの人材教育を受けたり、深く知ったりすると、最終的には「ディズニーだからできる人材教育だ」となってしまう。

「うちの会社はそんな投資するお金もないし、人材育成に投資するお金もないし、ミッキーマウスもいないからできない」とか「うちの業種は建築業、建設業だからミッキーの世界とは違う」とか。結局、うちではそんな人材育成はできないという結論に至ってしまうんです。

小澤:確かにディズニーだからできる…というイメージはあるかもしれません。

大住:でも、ディズニーの人材育成方法って、決して夢を見させるとかモチベーションを高くしないとできないというものでもないと私は働いていた当時から思っていたんです。

全ての業種・業態でディズニーの人材育成は理論的にも出来ると。それで2012年に「一般社団法人ソコリキ教育研究所」を立ち上げました。

小澤:なるほど。そのような理由で立ち上げられたんですね。

大住:そうです。また、2010年には「公益法人 難病の子どもとその家族へ夢を」を立ち上げています。

この時は「難病の子どもたちは可哀想な存在、社会的弱者、不運で気の毒な人達である」という解釈を変えたいと思っていたんです。

これまで私が出会った家族は決して可哀想とか不運とかそういうことはなくて。自分の命を一生懸命に考えて、本気で生きている人たちだと私たちは考えています。

それを社会にストレートに伝えて、今日がつまらないと思っている人、人生がだるいと思っている人に、難病の方々の生き様を見て頂くことによって「よし、俺も一生懸命生きよう」というふうに考えて頂きたいと思って起業させて頂きました。

「何がしたいか分からない」起業家へ

TOKYOオリンピック時の指導風景

小澤:なるほど。今お聞きしていると、強い使命感というかご自身の経験の中で、例えばディズニーの人材教育は中小企業や零細企業、お金がない団体でもできるということを伝えたいという思いであったり、もしくは難病家族に対してそこから逆にパワーであったり情熱を他に生きている人たちに与えたいっていうすごく熱い気持ちっていうのをお持ちだということが分かりました。

しかし、起業したいと思っている方の多くが「起業はしたい、けれど何がしたいか分からない」とか「起業してみたものの、結局情熱が傾けられない」とか、そういう前の段階の部分で悩んでいるのかな、と思うんですね。

そういう方々が情熱を持って取り組めたり、「これだ」って思える起業アイディアに出会うためにはどういうことをしたらいいんでしょうか?

大住:色々な本を読むとか、色々な情報を得るとか。さまざまなやり方があると思うんですけど、私の場合はフィールドワークというか、現場に出て自分が体感してみることが大きいかな、と思っています。そこで感じた違和感や怒りを大事にすることです。

小澤:現場で問題意識を持つということでしょうか?

大住:はい。怒りにも色々な種類があって、怒って人をバンッと打ち返すような感情ももちろんありますけど、私が言いたいのは「正しい怒り」と呼べる感情です。現場に行って「これおかしいんじゃない?」って思うことが起業にとっての1番の起点だと思います。

小澤:なるほど。

大住:例えば、私がディズニーランドで働いてる時にも、難病を患っている子どもを多く見てきました。でも、そんなに話したことはなかったんです。「写真撮りましょうか」くらいの声をかけたことはありますが、そのご家族の本音、本質まで迫ったことは一度もなかったんです。

でに、ある時「やっぱりこれは何かおかしいぞ」と思い始めて。そこから研究して調査して色々な現実を知ると、やっぱりおかしいということが分かってきて。

それに対して「本当にお前はどうするんだ」「自分はどうするべきなんだ」って考えた時に「いや、俺は関係ないよ」って思うことも出来たと思うんですけども、ディズニーの教育をずっとしていた人間として無視することはできませんでした。

小澤:ディズニーの教育とはどういうものなんですか?

大住:ウォルト・ディズニーの言葉に「あなたの役割は何ですか?」という有名なものがあります。私たちは、その言葉をずっと人に伝えてきたので、今度はそれが自分に回ってきた言葉なんだ、と。そこで「公益法人 難病の子どもとその家族へ夢を」を起業したんです。

また「ソコリキ教育研究所」では人材育成を行っているのですが、このきっかけも問題意識でした。世の中を見ると、ディズニーの教育が変に誤解されているなぁと思ったんです。これはいいことではないし、違和感を強く感じました。

小澤:具体的にはどんな違和感だったんですか?

大住:ディズニーの教育っていうと、限られた企業や業界でしか使えないと思われている節があったと思っています。でも、決してそういうある業種・業態のためのホスピタリティーじゃないよって。その部分を強く押し出すために起業したんですね。

小澤:なるほど。『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』という本の中でカストーディアルという清掃スタッフのことが書かれていたのを覚えています。

掃除をするっていう役割の中にもやりがいが間違いなくあり、一つ一つの役割にロールモデルを作って、自分の中でミッションを作っていくっていうところが、すごくディズニーの人材教育の良さ、役割の持たせ方の上手さなのかなと感じました。

ディズニーという原点が今につながっている

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー

小澤:今お聞きしていると、やはり大住様のご活動の原点はディズニーにあったのかなと感じました。ディズニーで働いていらっしゃった時のエピソードで、印象に残っていらっしゃるものはありますか?

大住:一つ一つ色々な印象もあるんですけれどもね。「100年カレンダー」にも共通することなんですけれども「その時は分かっていなかったんだけど、今改めて考えてみると全部繋がっている」って気付くことがあります。

例えば、私は「ジャングルクルーズ」というアトラクションを担当していました。これは、13分46秒1人で喋りっぱなしのアトラクションなんですよね。

小澤:そんなに長い間一人で喋るんですか!

大住:それでボートに同席して頂いたゲストを楽しくワクワクドキドキさせながら冒険をするアトラクションなんですけれども、ずっと喋ってるんですよ。1日20周ぐらい回るんです。ということは、一日中喋ってるもんですよね。

で、少し話は変わるんですけれど、ディズニーランドっていうのは9割がアルバイトの方なんです。だから「アルバイトの人と俺は一緒の働き方でいいのか」って思った時も正直あったんです。

小澤:その状況に焦りを感じていらっしゃったんですね。

大住:そうそう。その当時はバブルの名残があって学生時代の友達は何億っていうお金を扱っていたり、海外出張に行ったり。でも自分自身はディズニーランドのアドベンチャークルーズでずっと喋ってるだけってみたいな、そんな焦りがありました。

また、さっきも少し話が出ましたが、カストーディアルとして掃除もしていました。ソコでも「一日中掃除していていいのか」って焦りがありました。

でも、今思うのは「あのジャングルクルーズの経験があるからこそ人様にお話することが出来る」「人前で講演することが出来る」「説得力のあるお話が出来る」ということなんです。

カストーディアルで色々な方々と出会うことによって、色々な人に話しかけることができ、目の前の人が本当は何を訴えているのかという心のコミュニケーションをできるようになったりとか。

そう思うと、そのとき起こる出来事1つ1つをリアルタイムで把握、理解し切れていないんです。今何が起きているのかとか、今自分がイケてるのかイケてないのかっていうのは正直後になって未来が教えてくれることなんですね。

だから「今イケてないだからダメなんだ」っていうことじゃなくて。後になって何かにつながるはずなので、今やっていることに自信を持ってほしいな、と思っています。

小澤:過去を振り返ると「あの出来事が今につながっている」と思うことってありますよね。

「100年カレンダー」の中でも、これまでの人生で印象に残っているイベントを書き込んでいくというワークがあったかと思います。そういえば、スティーブ・ジョブズもスタンフォード大学のスピーチで「過去と今のドットを繋げましょう」という話をしていました。

「今何をしているんだろう」という焦りを持っている方も多いと思いますが、その辛い思いや焦りが、10年後・20年後の成功・やりがい・情熱を感じられる活動に繋がっているのかな、と私も思っています。

100年カレンダーが生まれたきっかけ

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各人がデザインする100年カレンダー

小澤:過去の出来事と今の繋がりに気付けるのが「100年カレンダー」の1つの魅力かな、と私も実際に使用させて頂いて思いました。ちなみに「100年カレンダー」が生まれたきっかけはなんだったんでしょうか?

大住:もともと、私も起業するとか経営者になるということはさらさら思っていませんでした。オリエンタルランド、ディズニーの会社も不満足ではなかったんですよね。

例えば、嫌な上司がいるとか…そういう感情はありましたが、それってどこに行ってもいることだと思っていました。会社の仕事も大好きでしたし、事業も大好きでしたので、辞める気は全然無かったんです。

ただ、さっきお話したように「このままでいいんだろうか」って違和感を覚えた時があって。起業するというアイデアが出てきたんです。そのアイデアに背中を押されている気がしましたし、「お前どうなんだ」という自問自答の声もいつも聞こえてきました。

そんな時に、私も同じように「過去と今をつなげるワーク」を自分1人でやってみたんですね。これはもともとディズニーでも行われていたワークでした。

小澤:なるほど。

大住:それと、「100年カレンダー」自体は大阪の株式会社フロムページさんが作られた商品なんです。その「100年カレンダー」を社長室で初めて見せていただいた時に「過去と今のワークと『100年カレンダー』という商品をマッチングさせたら面白くなるんじゃないか?」と閃いたんです。

小澤:ディズニーの発想を元にやっていたワークと、もともとあった「100年カレンダー」を見て、このアイデアが生まれたんですね。

大住:ゼロから作るという事業のやり方もあるんですけども、すでにあるものとあるものをくっつけるというのも1つの手法だと思います。この「100年カレンダー」っていうのも元々社長の趣味で作ったらしいんです。

社長の趣味だから正直そんなに売れてなかったみたいです。でも社員の方々が「社長、その商品意外と面白いかもしれないからそのまま置いておきましょう」みたいな形で置いてあった商品だったんです。

今の活動のやりがい

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沖縄で経営するホテル「青と碧と白と沖縄」

小澤:既存のアイデア2つを掛け合わせて、全く新しいものを生み出されたっていうのは、起業アイデアの作り方としても有効ですよね。ちなみに現在、とても精力的にご活動をされていると思うのですが、どういうところがやりがいになってらっしゃるんですか?

大住:「ありがとう」って言ってもらえることが、今の活動の糧ですね。これも、ディズニーで学んだことです。

「大住さん、ありがとう」だけではなくて、私たちが生み出しているコンテンツが社会の方々に「ありがとう、こんな景色を見させてもらいました」とか「こんな家族になりました」とか「こんな職場になりました」とか。そういった私たち活動に対して感謝の言葉をかけて頂いた時に「もっと頑張ろう」と思えるんですね。

小澤:なるほど。確かに自分の行動によって人から感謝の言葉をもらえるとモチベーションは上がりますよね。

大住:そうです。「ありがとう」という言葉なんですが、この言葉は人間の自己有用感を1番強く実感させる言葉なんです。自己有用感、つまり自分が役に立ったという実感こそが、幸福感や嬉しい気持ちに繋がっていくと。だから、自己有用感を実感できるというのはとても幸せなことなんですね。

誰かのために動きたいということではなくて、自分の行動が結果的に他人の喜びに繋がり、自分も嬉しくなるっていうのが理想的です。

高級な腕時計や自動車を買って幸せになることもあると思います。でも、いざハンドルを握ってみたり、時計をはめてみたら、今度は違うものが欲しくなってくることが起きると思うんですよね。

でも、人に「ありがとう」と言われて自己有用感を感じられることについて言うと、それ以上の歓びはないと思いますね。

売り手は仕事の時に「ありがとうございます」っていいますよね。「ご来店ありがとうございます」「契約ありがとうございます」って。でも、買い手からの「ありがとう」ってなかなか言われることはありません。だからこそ、言ってもらえると事業としては最高の歓びですし、それ以上の歓びはわたしは想像できないです。

今の活動で苦労していること

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小澤:「ありがとう」って本当に商売の基本ですよね。売り手だけが「買ってください」って言っても成り立ちませんし、やっぱり買い手の方が「ありがとう。買わせてください」と言ってくれなければ、商売として成立しません。

売り手と買い手の2者がいるっていうのがすごく大前提で、大住さんもそうお考えになっているんだなってすごく伝わってきました。逆に、今のご活動で大変なことはありますか?

大住:仕事をする上で辛いこと、苦しいことっていうのは正直、働けば働くだけありますね。Amazonのジェフ・ベゾスさんがインタビューで語っていた言葉が印象に残っているんです。

インタビュアーから「私もあなたみたいな起業家になりたい」みたいに言われた時、彼が第一声で「そう?そんな良くない世界だよ」って言ったんですよね。

成功した起業家っていうとキラキラしたイメージを持たれるかもしれないんですけど、ジェフ・ベゾスの言葉も当たりだと思ってます。

私もオリエンタルランドの社員だった時は組織に属していたので感じたことはなかったですけれども、今は経営者として24時間は働いてるって感覚を持っているんですよね。

ディズニーの頃でも20時間くらいは働いている気持ちでしたが、本当にその時よりも今の方がよく働いています。つまり、頭から仕事のことが離れなくなっているんですよね。

例えば、海の上にSUPのボードでぷかぷか浮いていても頭の中にずっと仕事があってもう逃れられない…みたいな。そういう辛さというか苦しさは正直ありますね。

でも、原点に戻ると「お前がそれを望んだんだろ」と。そうすると「そうだよ、俺はこれがやりたかったんだよ」って思い直すことができるんですよね。そうするとストレスにならないですし、至福という表現にすらなるんです。

小澤:ライスワークとライフワークという言葉がありますよね。ライスワークは「生活の糧のために、特にやりたくもないけどとりあえず稼げるから」ってやっているもの。ライフワークは「自分の情熱や、やりがいのために」というもの。

大住さんは苦しいけれども24時間考え続ける、結局は楽しんで自分がやりたかったことで、とおっしゃってたので、ライフワークをされているのかなと思ってます。

起業をライフワークにするために

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小澤:弊社も起業スクールを運営しているので、受講生の方にはライスワークではなく、ライフワークをしてほしいと思っています。そのためにどうやって起業アイデアを考えていくべきなのか、ライフワークになるような事業作りの方法を教えていただけますか?

大住:それは起業する会社、起業の手法によると思います。私がやらせて頂いてるような、自分の違和感から始まったような事業について、1番大事なのは買い手に喜んでもらえるかどうかなんですよね。

お金から入っていくやり方、これは絶対儲かる、これはマーケット的にも絶対大丈夫、1年間やってこれだけ数字を作っていこうっていうやり方もあると思うんですけど、私のような事業の場合にはお金ファーストじゃなくて、結果としてお金が後からついてきたという流れが現実的なんじゃないかな、と。

小澤:なるほど。

大住:私のような事業の場合には、体験が大事だと思っています。自分の体験の中で何かを実感して、強烈なインパクトを受けてそれで始めていくということです。

実際、私たちの活動は本当に多くの方々にファンになって頂いて、支えてもらっています。それはどれだけ人が私どもに関心を持ってくださってるかということだと思います。

じゃあ、そういう状況をどう作るのかというと「こいつ、本気だぞ」って思ってもらうことなんです。

「こいつ、マジで会社辞めて本気でやろうとしている」「こいつ、24時間いつも仕事のこと考えてる」って思って下さってるから、今もファンがいるんだと思っています。

ですから、起業のタイプっていうのは色々あると思うんですけれども、もしこういうスタイルで起業を考られている方だったら、どうやってファンを作っていくかを考えること。そのために、ストーリーをしっかり整理し直していくことが大事なんだと思います。

そうするとより自分の現在地が分かってきて、それがだんだん自信になっていったり、いつのまにか確信に変わっていきますので。そうなると自然に起業アイデアが生まれて、事業をしてるんじゃないかな、と思います。

「どう生きるか」を明確にするために

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー
講演、研修活動も全国で行う

小澤:自分の現在地やストーリーを整理していくっていうお話が出ました。そういう意味でも、人生を俯瞰していく「100年カレンダー」はとても有意義だと思っております。

著書『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』でも、やりたいことを整理する方法として5W1Hのお話や、未来から逆算していくバックキャスティングの話があったのですが、そういったやりたい事を明確にするための手法をご紹介いただけますでしょうか。

大住:「君のやりたいことをやりなさい」って偉そうにいう人っているじゃないですか。でも「やりたいことが分からないんだよ」って思う方も多いと思うんです。そういう方のために「100年カレンダー」を使っていただきたいんです。

「100年カレンダー」でどういう問いを立てているかというと「あなたの好きな時間ってどんな時間ですか?」「嫌いな時間ってどんな時間ですか?」という観点です。

頭の中で考えるだけじゃなくて、紙に書いて目の前に貼ってみてそれを俯瞰するというがすごく大事で。自分の頭の中は見えませんので、それを書き出して文字化して視覚化していくっていうところがポイントです。

小澤:頭の中でいくらわかっているつもりでも、いざ言葉にしてみたら全然言語化できなかったということもありますもんね。

大住:そうです。だから、とにかくそこに書いてみる、と。

例えば「好きな時間ってどんな時間ですか?」という問いに対して、「僕は女性といる時間が好きなんだ、異性といる時間が好きなんだ」とかなんでもいいので、どんどん書いてみればいいと思うんです。

その反対に、例えばキャバクラみたいな所にいるとすごく緊張しちゃって嫌だ、とか。本当は好きなんだけど、ドキドキしちゃっていられないとか、そういうこともどんどん書いていけばいいと思うんです。

その後、書いたものを俯瞰して、点と点を繋ぎ合わせていくと「自分はこういう性格を持っているんだ」「もしかしたら、わたしの本当のやりたいことというのはこういうことなのかもしれない」ということが分かってくるんですよね。

やりたいことは一つの角度から攻めていくのではなくて、色んな角度から見つめ直して、とにかく書き出してみるってことですね。書き出してみることって1番脳に刺激があるんです。手を動かして、目でみて、また頭も動かして、とてもいい効率的なやり方だと思ってます。

ゴールを明確にする

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー
大住のセミナーはシンプルでストレート

小澤:著書の中で、バックキャスティングの話も出てきましたよね。ここについても詳しくお話しを聞いてもいいでしょうか。

大住:バックキャスティングは、未来のイメージを先に決めてしまって、そこからどうやってその未来に至るかを逆算で考えるというものですね。

小澤:アントレカレッジでも同じように「起業する際にはまず会社の出口を考えましょう」とお伝えしてます。上場なのか、売却・承継なのかっていう。

大住:いいですね。結局はゴールセッティングが一番大事だと思っています。自分がどうありたいのかっていうのを明確にすると今とのギャップが明確になってきます。

そのギャップを埋めるために何をしなくてはいけないのか。そして、何をしなくてはいけないのかというものを挙げて、それを本当に体が考えなくても動いていける、認識しなくても出来る様になっていく。極論、歯磨きと同じで習慣化だと思います。

小澤:確かにどういう姿でありたいのかを明確にしたら、そこに向けて一直線で迎えるようになりますよね。

大住:そうです。だから、ゴールセッティングをして項目を上げてそれを習慣化してその時期に合わせて行動していくと。これがとても大事なことなので、まずは自分がこうなりたい、こうありたいって言うところをセットして、なるべく臨場感を持って作っていくべきだと思うんですよ。

私はバックキャストを何度もやりました。やるたびに未来像は変わっていくんですけれども、それは決して悪いことじゃないと思います。堂々と変わっていいと思います。

でもそれを重ねていくうちに、また自分の頭の中がとても整理されていきますので、「こうあっちゃいけない」とか「こうあるべき」なんて考えないで、どんどん変えていってもらえたらと思います。

それを毎日考えていくうちに「もういても立ってもいられない」ってなると思います。そうなったら行動が変わって、確実にゴールに向かっていくことができるはずです。

小澤:他にも著書に「時間とお金を最もお金をかけてきたもので起業する」と書かれていましたよね。やっぱり好きなものって空気と同じで、自然にやってしまうので本人は自覚してないけど、そこを明確化していくことで起業に繋がるっていう手法は、起業家にも役に立つなと思っています。

今後の目標

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー
100年カレンダーのセミナー費の一部も寄付に充てられる

小澤:最後に、大住さんの今後の目標をお聞かせください。

大住:60歳の時にはこういう風になっていたいっていうのはもう明確に決めています。それは「100年カレンダー」を世の中に広めたいということです。

そもそもなぜ『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー』を書いたかというと、「100年カレンダー」を皆さんにやってもらいたいと思ったからです。これやると生きていく自信と勇気が明確になるんです。

世の中には勇気が無かったり、自信が無かったりする方がとても多いと思っています。それに、日本全体を見ても、幸福度が低いと言われていますよね。

ですから、日本人やアジアの人たちが、堂々と生きていけるように、今日生きていて良かったって思えるように「100年カレンダー」の講師を日本中に広げていきたいと思ってます。

小澤:これからはご自身以外にも教える側も増やしていきたいということですね。

大住:そうです。ディズニーに「リトルマーメイド」という人魚姫の映画がありますよね。あの主題歌の中の一節に「Ready to stand」という言葉があります。

これは「わたしは人間の世界に行く準備は出来てるの」「立ち上がる勇気は出来てるわ」という場面があり、ここから「レディ・トゥ・スタンドプロジェクト」と名付けました。

とにかく社会に出て行く、起業していく、次のステップに上がっていく。この動きをどんどん周りに広げていって「100年カレンダー」の講師になって頂いて、社会でもがいている方々に「大丈夫だ」といえる環境を作って頂きたいと思います。

小澤:「100年カレンダー」を使って誰もが未来を明確に意識できるようになり、その未来のためにどんどん立ち上がっていく、ということですね。

大住:はい。事業は徹底してやって、多くの方に体験、実体験をして頂きたいと思います。決して、今の状況や過去にあったこと…大学受験に失敗したからとか、就職の時に失敗しちゃったからとか、そういったことは全然関係がないと思ってます。

大事なのはゴールセッティングと、今日からどう生きていくかってところです。未来は過去に影響されません。そういったことを「100年カレンダー」を通じて実感して頂きたいですし、皆さんにも自信と勇気を持って生きて頂ければなと願っています。

これからの起業家へ

大住力様 一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー

小澤:現代は情報過多で、常に色んな情報が入ってきてそこで右往左往してしまってる人も多いかな、と思っています。その中で、ゴールってなんだろうかと考える時に「100年カレンダー」というツールはすごく有効だなと、本も読ませていただいて感じました。

最後に、これから起業を志す方にアドバイスを頂けますでしょうか?

大住:私は起業してすぐに東日本大震災があって全てが崩れてしまいました。正直、どん底を見ました。でも、今まだこうやって生きてられてます。まだやりたい事業をお金を投資してやれる力もあります。

失敗したらどうしようとか、持ち金がなくなったらどうしようかとか、今このままいた方が安全じゃないかって思う方も多いと思います。僕もそう考えました。だけど今改めて思うのは、あの時乗り越えられたから、もう大丈夫だってことです。色んな困難が今でも目の前にありますけれど、今はそう思ってます。

小澤:起業後に震災に遭われたんですね…。それでも今、精力的にご活動されているのは本当に凄いと思います。

大住:だから、目の前に何か困難が来た時に「あ、今回はこうやってきたか」っていつも思うようになったんです。今までは、何か壁が来たらどうしようって考えてましたけど、今回はこっちの角度からきたかって思ったら「じゃあ、あっちにいってみよう」って、そういうふうに考えられるようになりました。

コロナ禍でも、私どもの活動は大きく制限を受けました。例えば、ソコリキ教育研究所では講演やセミナーの活動をさせて頂いてます。

コンサルティング事業ってありますけど、講演とか研修、人が集まるのは大打撃を食らってます。だけれども、今改めて思うのはやっぱりあの時の経験があるので、今は違うことに注力しております。

皆様も色んな不安もあるかもしれません。だけれども、常に考えて頂きたいのは「皆様の事業が世の中に出た時、どれだけの人が喜ぶか」ということです。その喜びの顔を想像して頂く方が大事だと思います。ぜひそれを信じて前に進んで頂きたいと思います。

小澤:ありがとうございます。本当に繰り返しになるんですが、この「100年カレンダー」は私も実際にやらせて頂きました。

そこで1番最初に思ったのは、自分の過去を俯瞰するなかで、親や兄弟、おじいちゃん・おばあちゃん、先祖など…時系列が繋がっていって今があるんだなって。感謝の気持ちが1番最初に出てきました。

感謝の気持ちがあると、それが他の人への自己有用感に繋がったり、みんながいてくれたおかげで自分が今があって、だから自分も未来に繋げていかないといけないんだって、1つの大きな流れを感じることもできて。

そこが「100年カレンダー」の魅力の1つだな、と感じさせていただきました。

なので「レディ・トゥ・スタンドプロジェクト」で「100年カレンダー」の講師を育成して日本中に広げていくという活動は、私自身も個人的に応援させて頂きたいなと思っております。

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「起業の専門学校-アントレカレッジ-」は、ただ起業家を輩出するだけの学校ではありません。

私たちは約20年もの間、多くの起業家や経営者のコンサルティングをしてきました。 そこで感じるのは、多くの日本の経営者は、売上にとらわれ「くたびれた」「不幸な」経営者ばかりだということです。そんな現状ではますます起業を志す人がいなくなってしまいます。

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