1円起業は「たった5つの起業アイデアを導入するだけ」で簡単に始めることができるのをご存知でしょうか?
その5つとは以下の通りです。
- ネットショップ開設
- ライター
- 動画制作・YouTuber
- アフィリエイト
- 各種代行サービス
この5つの起業アイデアで起業することですぐに経営者になれる上、即金性が高い起業アイデアなので別事業の資本作りにも活用が可能です。
中には「1円起業は稼げないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、webサービスと組み合わせることで可能性は無限に広がり、収益性の面でも期待が持てます。
実際、アントレカレッジ講師の菅野一勢が初めてIT起業をした時も1年で年商1億円規模にまで成長させることができました。
今回は1円起業で法人設立をするステップとともに、1円起業が成功しやすい5つのアイデアをお伝えします。
なお、1円起業以外の起業方法を知りたい方は、起業の手順・資金調達などをまとめたコンプリードガイドを用意しましたのでご一読ください!
1円起業の意味と起業希望者の傾向
わずか1円で起業ができるとはどういう意味なのでしょうか?
言葉をそのまま取ると、費用1円で起業も夢ではないと受け取れます。
ただし、起業や独立の前に1円起業の実態を把握しておく必要があるでしょう。
まず、世間では起業にどれほどの関心を持っているのでしょうか。
会計ソフト会社のfreeeの調査によれば、全体の30%から40%の人々は起業・独立したいという願望を持っていることが分かります。
30代が最も多くて40%超、シニア層でも約4人に1人は起業をしたいと考えています。
さらに今から3年以内に起業したいと考えている人は、20代から40代よりシニア層のほうが圧倒的に多いという結果です。
高齢化社会が進んでいく現代、シニア起業はさらに一般化する傾向があります。
本当の「1円起業」の意味
低資金で効率よく起業ができるという意味でも、1円起業は嬉しい情報の一つであるのではないでしょうか。
しかし1円起業の本当の意味は、資本金1円で会社設立ができる仕組みになったということにすぎません。
会社設立の際、資本金を手続きとして払い込む義務がありますが、2006年の会社法改正により、資本金として1円でも会社設立の手続きができるようになったのです。
これは資本金に限った話で、会社立ち上げの総費用が1円で済むということではありません。
会社設立や開業にはさまざまな初期投資が要るため20万円前後から100万円のお金を準備しなくてはならないのです。
たった1円だけで事業活動の展開は不可能ですし、かなり非現実的といえます。
1円起業のメリット
1円で起業できるのなら起業してみたいと思う人は多いでしょう。
ここでは法改正によって1円起業を可能にした背景と、1円起業のメリットについて紹介していきます。
少額資本で起業ができる
2006年以前は「最低資本金制度」と呼ばれる制度がありました。
株式会社や有限会社設立にあたっては、それぞれ資本金1000万円・300万円が最低限必要とされていたのです。しかしその制度を廃止しました。
その理由は2つです。
1つは、最低資本金制度が債権者保護という名目ながら実効性に乏しかったことです。
もう1つは、資本金によって市場参入がしずらく、日本経済の発展にとって足かせとなったからです。
そこで誰でも少資金で市場参入ができるように1円起業の制度が始まったのです。
資金がなくとも会社を設立できることで経済活動が盛んになり、結果として日本経済にもプラスになります。
節税効果がある
1円起業には節税効果が期待できます。
資本金1000万円未満の株式会社は消費税免除制度があります。設立したての会社にとっては経営を圧迫する恐れがある税負担を免除できるのは魅力的です。
また、2年前の売上が1000万円以下の会社も消費税免除制度が適用されます。当然ながら、設立したての会社には2年前の売上自体が存在しません。
言い換えると、1円起業した株式会社は設立後の2年間、消費税負担の必要がないということです。
1円起業のデメリット
1円起業にはデメリットもあります。
この点も押さえておくことで、1円起業の制度を適切な判断において利用できるようになります。
ここでは1円起業のデメリットについて解説していきます。
社員採用と取引で信頼を得られにくい
資本金には「企業の元手」という意味があります。
つまり、資本金は対外的に会社の信用にかかわってくるものなのです。
資本金が1000万円の他企業と1円起業の自社が比較された際、どちらに将来性や安心を感じるでしょうか?
会社運営の信用という観点から、資本金1円の会社は信頼されない可能性が高いのです。
資本金の差は、1円起業のデメリットです。
しかし1円で起業した事実は変えられないため、この点を甘受して運営するしかありません。
他にも、スタッフ増員の際にもデメリットになることがあります。
やはり資本金がある程度高い企業のほうが信用度が高いため「1円起業の会社に就職・転職するのは不安だ」と思われるかもしれません。
銀行融資を受けにくい
起業と同時に融資を検討する場合、1円起業の会社は不利になる傾向があります。
銀行側に1円起業の理由を説明でき、納得させられるならよいのですが、融資担当者としても貸し付けは不安であるという前提になってしまうのです。
ここまで見てきた通り、制度上1円起業は認められていながら、金融面では否定的に見られることは多いのです。
本来、この部分を解決する法改正も同時に行うのが筋です。しかし、現実はまだその理想に辿り着いていません。それでも資本金1円で融資を受けたい場合、戦略を練っておく必要があります。
1円起業で成功するための手順
1円だけでも起業は可能になりましたが、実際は会社立ち上げの初期費用に資金が要ります。
また会社設立には公的手続きの過程が重要です。これは、株式会社か合同会社かによっても変わります。
ただし双方の開業資金に掛かる金額に差はあるものの、手順はほぼ同じです。
こちらでは1円起業を成功させる手続きの順序を解説していきます。
1. 社名・事業目的・出資者・任期・所在地を決める
会社設立のための基本事項を決めます。
商号や会社名は、一目で覚えられて会社法に則った名称を考えましょう。
事業目的は、どのような事業を行い利益を生み出したいのかを明文化する作業です。
任期は、会社役員の任期(役員が仕事をする期間)を定めるものですが、合同会の場合、役員任期はありません。
2. 類似商号の調査
会社法では同住所・同商号は使用できない規則となっています。つまり、1つの住所には1つの会社名だけが存在し、同名の会社はないというルールです。
ただし、複数の企業がテナントとして入っていることも珍しくありません。
また、自分が付けたい商号や屋号とまったく一致する名称の会社が入っているということも考えられます。そこで、事前に類似商号調査を行いましょう。
方法は、管轄の法務局にて「商号調査簿」を閲覧するだけです。
3. 定款の作成と公証人への認証
次に定款(ていかん)を作成します。定款では、会社の事業目的・商号・本店所在地といった必要事項を文書化し、公証役場で認証してもらいます。
その際、手数料が5万2000円、認証時の印紙税が4万円必要です。
ただし合同会社設立にあたっては、定款の認証そのものが不要です。
4. 出資金を法人口座へ振り込む
1円起業では1円を資本金として法人口座に振り込む必要があります。
1円だけというのは非現実的だと前述したように、それなりに出資金はある程度の額面を準備しておくのが望ましいでしょう。
業種にもよるので、準備資金額を一概に言い表すことはできませんが、100万円前後が無難です。
5. 法務省で登記
会社設立の手続きを法務省で行います。
登記申請のためには登記書類の準備が必要です。どのような書類を作成するかは、起業する会社のタイプで変わります。
登記は、資本金の払込後2週間以内に法務省に申請し、代表取締役が行うのが原則です。登記申請には収入印紙15万円分が掛かります。
株式会社を設立するために掛かる主な初期費用は以下のような内容です。
登録免許税 150000円
定款認証手数料 50000円
定款謄本手数料 2000円
法人実印作成費用 5000円~
設立者の印鑑登録証明書 300円(×必要部数)
会社登記簿謄本発行費 500円(×必要部数)
資本金の払込み 1円~
上記の通り、1円起業は事実上不可能です。起業に際しては最低25万円程度掛かるものだと認識しましょう。
1円起業の成功アイデア
マイナビ独立が2020年に「独立・開業に興味がある人の割合」という意識調査を行いました。
「独立・開業するなら、どのような業種を選びますか?」という問いに対し「飲食業」が圧倒的に多く26.5%。
次いでIT・通信・情報・携帯電話関連業務が18.4%、理美容・整体・エステ・リラクゼーションなどが13.0%という結果でした。
コロナ禍以前の調査なので多少の変動もあり得ますが、トップ3の業種は一般的に安定して人気が高く、これからも起業の人気業種として注目されるでしょう。
ただ、1円起業で成功するためには、どのような業種・業界でも他社にない強みが必要です。
ただ「飲食業をしたい」というのでは独自性がなく、苦戦することが目に見えます。
同業他社で溢れる市場でいかに起業アイデアを考え、独自のメソッドに育て上げるかが重要です。
ここでは、これから将来的に見通しの明るい1円起業に最適な事例、成功のキーポイントとなる手法やノウハウ・注意点について紹介します。
1. ネットショップ開設
資本金1円は非現実的とは言いつつも、なるべく低資金で会社設立し成功したいと思うのは当然です。
そこで、最も設備費用が抑えられる開業(とくに店や屋号にこだわる意味で)に相応しい事例の1つは、ネットショップの開設でしょう。
ネットショップは、その気になればパソコン1台確保できれば可能です。
それ以外にも必要なものは以下のとおりです。
- FAX対応のプリンタ
- カメラ
- スマートフォン
- 梱包資材
- 売る商品・商材(商品やルートによって差がある)
独自な商品・商材を既に発案していて製品化できるのであれば、実店舗を構えることなくインターネット上だけで完結できるのは魅力です。
しかも初期費用は、実店舗を持つよりもかなり低予算で済みます。
ただし、ビジネスとして、一般的な実店舗と同じように商品が売れなければ収入に繋がりません。
楽にできる商売ではないことも、肝に銘じておく必要があります。
2. ライター
ライターは各種あり、ウェブライターやセールスコピーライターなどが代表的です。
まったくゼロの状態から文章を作ってお金にするプロフェッショナルとして、インターネットが台頭して以降、増え続けている職種といえるでしょう。
ライティングのスキルを身につけて実績を重ねれば、多くの企業がオファーしてくる可能性も秘めています。
主婦の方や副業でライターをする人も今では多くなりました。セールスコピーライターの中には、年商1000万円という人も存在します。
ただし聞こえのいいことばかりではなく、ライターは常に納期に追われ、それを厳守することが信用になります。
また、ある一定のレベル以上に質の高いライティングを心がけていないと、仕事が突然切れてしまうという、意外とシビアな部分もあります。
どちらかといえば、1円起業で会社として行うよりも、個人事業主やフリーランスからスタートしていくことがおすすめです。
3. 動画制作・YouTuber
新しい職業の形として、ここ数年でかなり伸び始めている事例が、youtubeを中心とした動画制作や編集、そして実際に自分が出演して再生数をあげていユーチューバーという仕事です。
自分で撮影・編集し投稿した動画に広告を紐づけることで、広告収入を得るという仕組みになっています。
しかも自分が出演する動画に限らず、編集や制作だけのオファも増えていて、その専門のプロフェッショナルとして実績を上げている人もいます。
方法次第ではかなり高額な収入が見込めるので、新しい花形職業として注目されています。
ただし、動画の編集や制作が本格的になるにつれて、周辺機器・機材もそれなりにグレードアップを図らなくてはなりません。
設備への投資は多少掛かると思ったほうがよいでしょう。
それに、いかにして動画再生数を上げるかがカギになるので、マーケティングやセルフブランディングなど常に研究しなくてはならないため、やることが多岐にわたっていきます。
4. アフィリエイト
インターネットの時代になって登場した職業例として、アフィリエイトも加わります。
アフィリエイトとは、自身が管理するブログサイトやホームページ内にて、記事を書きながら広告主の商品宣伝・プロモーションを行い、そのページを見た人が商品サービスの購入や契約に至ったら成果報酬が得られる仕組みです。
アフィリエイトを駆使する人物のことを、アフィリエイターと呼びます。
メリットは、一切の在庫も商品開発も必要なく、アフィリエイトサイトと契約した上でブログなどの媒体さえ発信していれば、簡単に参入しやすく、パソコンさえあれば設備投資もほぼ0円で済むことです。
そう聞くと、簡単そうでハードルが低いイメージを持たれるでしょう。
しかし実情はそう簡単ではなく、アフェリエイトで納得のいく年収を上げるのは、まだまだ少数だということを覚えておく必要があるでしょう。
それに、アフィリエイトは一般的に嫌われる傾向もあり、実態も見えにくいので社会的立場もあまり高くない仕事でもあります。
もちろん真面目にアフィリエイトをする人もいますが、怪しい商材販売というレッテルを貼られているのも事実です。
この業界全体が認知されるまでにはそれなりに時間が掛かるので、根気強く取り組むしかありません。
5. 各種代行サービス
代行サービスや代行ビジネスとは、個人や企業の行う業務の一部を代わりに行うサービス業の総称です。
現在、あらゆる業種・業界の代行業が増えていて、多種多様な状態といえます。
代表的なものとしては、家事代行サービス・便利屋サービス・オンライン秘書サービス・営業代行サービスなどがあげられます。
基本的な考え方は、多くの人々があまり好んでやりたがらない業務に着目し、その代行をすることで収入を得るという点です。
アイデア次第では、これからますます変わった新しい代行サービスは増え続けるはずです。
デメリットは、ほぼ前例のない現場にて代行する機会が多いことです。
トラブルも少なくないことを自覚し、取り組む姿勢を保つことやしっかりとしたマニュアル化をしておく必要があるでしょう。
まとめ
1円起業とは、1円で会社が設立可能で成功できるものと勘違いされやすいのが現状です。
本当は、資本金として1円からでもできるよう法改正された意味にしか過ぎません。
会社設立には、別途初期費用が掛かると心得ておくようにしましょう。
しかし、それだけ起業のチャンスが広がったことも事実です。
誰しも挑戦する自由が認められたことになり、その価値は十分にあるのではないでしょうか?
自分の仕事を自分で切り開くわけなので、これほど将来的に楽しみなことはないでしょう。
ぜひ、やりがいや成功を求めてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?