今日はとっても重要なお話です。
僕らのところに相談にくる人も、ほとんどができていない考え方…それがマーケティングファーストです。
起業家・経営者の仕事はマーケティングです。それ以外の仕事は、おまけと言ってもいいくらいです。
経営者は如何にマーケティングに集中し、それ以外の仕事をスタッフや外注に任せていくかを考えていかなければいけません。
このマーケティングファーストというのは、商品・サービスを作るときも、事業を作るときも、徹底されなければいけません。
なぜでしょうか?
では逆に考えてみてください。
商品ありきで起業するとどうなると思いますか?
これはよくある話です。
自分のこだわりの商品や、すでに持っている商品、自分の強みを活かした商品、自分が好きな商品…「起業したい」という人のほとんどが、こうした商品・サービスを売りたい!と考えています。
「この商品をどうにか売りたいんです。。」
こう、相談に来る人が本当に多いです。
でもその前に…「本当にその商品は、お客さんが求めているものですか?」ということを確認しなければいけません。どんなに良い商品でも、それをお客さんが求めていないと商売にはならないわけです。
「これはすごい商品だ!絶対に売れる!」と思って、意気揚々と参戦し、退場していく起業家は数知れず…。
という僕自身も、何度も失敗したことがあります。
僕は起業当初、屋根を専門としたリフォーム会社で起業しました。当時、高収入の求人広告につられて、たまたま入った会社が屋根のリフォーム会社で、1ヶ月で営業トップになってしまったのです。
それなら自分で下請けの会社を見つけてお客さんを捕まえればできると思って、なんちゃってで独立したのがスタートです。
その当時、僕はマーケティングなんて言葉すら知らなかったので、できることと言えば飛び込み営業。毎日毎日、何十軒も家を回っては断わられ、精神的にも体力的にも弱っていました。それでも、自分にできるのは、この屋根のリフォームという商品を売ることだけ。どうにか売ろうと、必死にもがいていました。
しかし、追い討ちをかけるように競合もたくさん参入し、販売価格は落ち、しまいには、飛び込みしたお客さんに、「また屋根屋か」と言われるようになりました。
まあ、こうして事業は右肩下がりで撤退していくのですが、当時の僕には、屋根のリフォームしか売ることができなかったので、需要が無いにも関わらず、無理矢理にでも売ろうと頑張っていたわけです。
今の僕だったら、「売る商品を変えましょう」の一言で終わりです。もしくは、考えられるマーケティングの施策を一通り試して、ダメだったら潔く撤退です。
これが一方、マーケティングファーストの考え方で事業をスタートさせていたら、チラシやDMを打ったり、地域に広告を出して需要を調べたりすれば、参戦するか辞めるかすぐに判断できます。
防げたはずの数千万円の損失
もう1つ、僕の失敗談を共有すると、過去にサプリメント事業をやったことがあります。
「マカ」のサプリなんですが、健康志向の時代の流れにもあっていましたし、成分の良いサプリが作れるということで、これはイケる!と早々に判断して先に商品を作ってしまいました。
100個や200個じゃないですよ!3,000個です。
当時のオフィスがマカのサプリで埋め尽くされる状態になりました(笑)
ただ、それでも自信はあったので、インターネットで販売するためにランディングページを作成し、広告を出していざスタートしたわけですが…全く売れず。
この事業だけで数千万円の損失を出しました。
これも、きちんとマーケティングファーストでやっていれば、避けることができた失敗です。
今だったら、まずはテスト販売をします。小ロットで100個くらい商品を準備したら、実際に広告を出して反応を先に見るのです。
そこで反応がよければ、商品をもっと作って、広告費もバンバンかけて販売していきます。逆に全然反応がなければ、そこで撤退です。
このテストマーケティングも10万円ほどの広告予算があれば簡単にできます。
マーケティングファーストを徹底しなかったが為に、数十万円の損失で済んだところが、数千万円に膨れ上がってしまったのです。
資本や体力の無い中小零細企業の僕らが、リスクを極力避けて事業を成功させるには、マーケティングで勝負していかなければいけません。
まずは、マーケティングファーストで、お客さんや市場を知り、求められている商品を売っていく必要があります。
最高の良い商品を作ろうとする職人脳も悪くはありません。でも、それが誰からも求められなかったら、商売にはならないのです。
僕ら商売人・起業家は、「最高に売れる商品を作る」という考え方にシフトしなければいけません。あなたが起業家、経営者であれば、現役を続ける間一生向き合わなければならないのがマーケティングです。
「マーケティングファースト」
この考え方は絶対に忘れないでくださいね。
中村司