粗利率とは|計算方法と意味や他の利益との違いをFP監修でわかりやすく解説

粗利率を理解すれば経営の意思決定や事業の分析に役立ちます。なぜなら、粗利率から以下のことが判断できるからです。

・仕入価格や販売価格の妥当性が判断できる
・商品の付加価値を分析できる
・商品ごとに事業の拡大・縮小をするべきか判断できる

ちなみに「粗利よりも売上高を確保することが重要では?」と考える人もいますが、それは大きな誤りです。

なぜなら「売上高が高い=利益が出ている」ではないためです。利益の目安とするのならば、売上高よりも粗利率の方が有効です。

講師 中村司
利益率、原価率など色々な指標があるんですが「粗利率」はザックリと事業の利益を計算するときに用いる指標です!
1日の終わりにどれくらいの利益が出たのかを簡単に出せるので、飲食店・卸売など…どんな業種の経営者でも覚えておくことをおすすめします。

そこで、粗利の概要や活用方法、計算方法などをこの記事でお伝えします。

ざっくり言うと
  • 粗利率とは「売上高から売上原価を引いた際の利益が占める割合」
  • 粗利率を理解すると事業の分析ができて便利
  • しかし「粗利率が高い」ことが「事業が優れている」には直結しない
  • 商品単価を上げるか、原価を下げると粗利率は上がる
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粗利とは?意味・計算方法

粗利とは?意味・計算方法

粗利率の理解のため、まずは粗利の意味を解説します。粗利とは、売上高から売上原価を差し引いた値です。「粗利額」や「売上総利益」と呼ばれることもあります。

粗利を図解で解説した完全ガイドはこちら

粗利=売上高-売上原価

原価率とは?

粗利率 原価率とは?

売上原価に関係する言葉に「原価率」があります。原価率とは、売上原価が売上高に占める割合のことです。

原価率=売上原価÷売上

原価率が高くなるほど、粗利は減少します。どれだけ売上高に貢献する商品であっても、原価率が高ければ利益としては残りにくいです。

粗利の計算例

(例題)以下の場合の粗利を求めよ

・売上高=1,000,000円
・売上原価=300,000円
・人件費=250,000円
・広告宣伝費=50,000円
・業種=宿泊業

この場合の粗利は以下の通りです。

粗利=売上高-売上原価=1,000,000-300,000=700,000円

なお、広告宣伝費は販売費に該当するため、粗利の計算に影響はありません。

また、人件費は製造業(部門)の粗利には関係しますが、宿泊業の場合は売上原価に算入しません。

粗利率とは?

粗利率とは?

粗利率とは、粗利が売上高に占める割合のことです。

粗利率=粗利÷売上高
粗利率=(売上高-売上原価)÷売上高

また、粗利率の特徴として、原価率と粗利率を足すと1(100%)になります。

粗利率+原価率=1(100%)

これは、粗利率・原価率を求める際にも役立ちます。

粗利率=1(100%)-原価率
原価率=1(100%)-粗利率

粗利率の計算例

粗利率 粗利率の計算例

(例題)以下の場合の粗利率を求めよ

売上高=1,000,000円
売上原価=300,000円

この粗利は以下のようになります。

粗利=1,000,000-300,000=700,000円

粗利率の式は「粗利÷売上高」のため、以下の式で求められます

粗利率=700,000÷1,000,000=0.7(70%)

なお、この時の原価率もすぐに求めることができます。

原価率=1-粗利率=1-0.7=0.3(30%)

粗利率は売上高より重要な指標である

粗利率は売上高より重要な指標である

売上高には注意しているが、粗利はそこまで気にしていない」という方がいますがそれは誤りです。

なぜなら、粗利は売上高よりも重要な指数と言っても過言ではないためです。

その理由として以下の2点が挙げられます。

・粗利率は収益を示す
・事業の競争力・付加価値を示す

粗利率は収益を示す

粗利率 粗利率は収益を示す

売上高がいくら高くとも、売上原価が売上高を上回ったら利益に繋がりません。

一方で、粗利は売上高から売上原価を差し引いた値です。そのため、手元に残る金額の目安となります。粗利以上に他の費用を使わなければ黒字となるということです。

売上高は利益に直結するとは言えませんが、粗利は残れば残るほど会社の利益に繋がりやすいのです。(高ければ必ずしも良いとは限らないため注意が必要です。詳しくは後述しています。)

講師 中村司
売上高を見ればその事業規模は分かりますが、儲かっているかどうかは分かりません。
費用を差し引いた段階でどれだけの利益が残っているのかを示すのが粗利率であり、粗利率の高さがその事業の収益性を評価する1つの軸となるのです。

事業の競争力・付加価値を示す

粗利率 付加価値

更に、粗利率は事業の競争力や付加価値を判断する基準でもあります。

粗利率が0%に近い場合、原価以上の価格で需要が無いことを示しています。つまり、その商品の競争力は弱いということです。

売上高にしか着目していなかったら、競争力がわかりません。会社経営において粗利率は着目すべき指標なのです。

講師 菅野一勢
粗利率が0に近いということは、その商品が原価以上の値段で売れないということです。原価と同じ値段でしか売れないのであれば、加工する意味も商品として売る意味もありません。
逆に粗利率が高いということは、それだけお客さんが価値を感じてくれているということ。何かしらの手を加えたことでどれだけの価値が生まれているのかを見ることができるのが、粗利率の便利なところです。

粗利率を上げる2つの方法

粗利率を上げる2つの方法

粗利率が高ければ必ずしも優れた事業とは限らないというのは先述の通りです。しかし、粗利率を上げる工夫は必要です。

粗利率を上げる方法は、大きく分けると以下の2つです。

1. 商品の単価を上げる

粗利率 商品の単価

粗利率を上げる方法として、商品の単価を上げる方法があります

ただし、商品の単価を上げると顧客離れに繋がるリスクもあります。自社より安い商品へ流れてしまう可能性があるためです。

売上高から売上原価を引いた値が粗利となるため、原価は据え置きで最も売上高が大きくなるプライスポイントを探しましょう。

また、価格が上がっても自社の商品を購入するメリットを把握してもらうなど、継続して顧客となる施策が重要です。

 2. 売上原価を下げる

粗利率 原価を下げる

2つ目は、売上原価を下げる方法です。具体的には仕入先の見直しや価格の交渉を行う施策になります。

しかし、売上原価と一緒に品質まで下がってしまうと、顧客の不満を生み、他社に流れてしまう可能性があるため注意しましょう。

粗利率・粗利額の出し方は?エクセルで簡単に計算しよう

粗利率・粗利額の出し方は?エクセルで簡単に計算しよう

粗利率や粗利額をエクセルで算出できるようになると、商品ごとの比較や改善点などが見えやすくなります。

ここでは、複数の商品の粗利率及び粗利額をエクセルでの計算方法として、以下の4ステップを解説します。

1.基本となる表を作成する
2.各商品の売上高・売上原価を入力する
3.粗利額を算出する
4.粗利率を求める

1.基本となる表を作成する

まず基本となる表を作成します。今回は商品ごとの粗利率及び粗利額を算出するため、個別の商品における情報を入力します。

今回は「3つの商品を取り扱っている」と仮定して話を進めます。もし取扱商品が4つ以上の場合はその分だけ行を増やしてください。

図6

2.各商品の売上高・売上原価を入力する

次に各商品における売上高と売上原価を入力します。今回は、商品A,B,Cの売上高と売上原価を表の通りに設定して進めます。

売上原価の欄は各商品で1つになっていますが、複数の売上原価がある際は合計額を入力しましょう。(飲食店の原材料など)

図7

3.粗利額を算出する

次に粗利額を算出します。

「粗利額=売上高-売上原価」のため、商品A「粗利額(円)」のセルには「=B3-C3」と入力します。

図8

そうすると、商品Aにおける粗利(2,104,000円)が算出されます。

図9

引き続き商品B,Cの粗利額を算出します。もちろん、同様に式を入力しても計算が可能ですが手間がかかってしまします。

そのため、セルD3の右下角を下方向へにドラッグしましょう。そうするとセルD3の計算式が引き継がれ以下のように自動で計算されます。

細かい動作は最後に動画で確認できるためご安心ください。

図10

最後に3桁ずつ区切るためのコンマを加えて、粗利額の計算が完了です。

4.粗利率を求める

粗利額の算出ができたため、引き続き粗利率を求めます。

粗利率の計算方法は「粗利額÷売上高」です。また、今回は%で求めるため「×100」も加えます。

商品A「粗利率%」のセルに「=(D3/B3)*100」と入力します。(「÷」=「/」,「×」=「*」です。)

図11

商品B,Cの粗利率を求めるために、先ほどと同じくセルE3の右下角をセルE5までドラッグします。

図12

最後に小数点を第1位に統一させます。上記ツールバーを使用して小数点の表示桁数を減らしましょう。

図13

これで粗利率の算出ができました。

参考 エクセル表の粗利率から分かること

参考 エクセル表の粗利率から分かること

これで、3つの商品における粗利額及び粗利率が算出できました。ここでは、算出後の分析方法を解説します。

粗利額が断然に大きい商品はA

この3商品において、粗利額が断然に大きい商品はAです。現在の事業はAが主体になっていることが分かります。

粗利の合計における約6割を占めているため、リスクヘッジを考えると、利益に貢献できる他の商品を要する可能性があります。

粗利額が一番少ない商品はC

一方で、粗利額が一番少ない商品はCです。しかし、粗利率ベースで見ると商品Cが非常に高く、大きな利益を生む可能性があります。

事業拡大という選択肢が生まれるでしょう。しかし、商品Cに係る販売費一般管理費が分かっていないため、そこも踏まえて検討が必要です。

商品Bは粗利率が非常に低い

また、商品Bは粗利率が非常に低いことが分かります。販売費及び一般管理費を含め、本当に利益を生み出しているのかを確認するべきです。

粗利率を向上させるための取り組みを要する可能性があります。場合によっては事業の撤廃も視野に入れないといけません。

このように、商品ごとの粗利額・粗利率が分かると様々な分析が可能となります。

粗利率・粗利額のエクセルでの出し方を動画で確認しよう!

最後に、エクセル上での粗利額と粗利率の算出における、一連の流れを動画で確認しましょう。

 

まとめ

当記事では粗利の重要性や活用方法、計算方法などを解説しました。また、最後にはエクセル上での粗利額・粗利率の算出の仕方も、動画付きで解説したため、是非参考にしてください。

MBA・FPオフィスALIVE代表 國弘泰治さんからのコメント
本業・副業で「経営者になりたい」「個人事業になりたい」と言う人もいると思いますが、「経営する」などとなれば、ヒト・モノ・カネ・情報という資源が必要です。その中でもカネの部分は重要と言われています。会計を中心に考えて人事、マーケティング、情報管理が生きていきますので、会計の分野は抑えておくと良いでしょう。
この記事の監修者
國弘 泰治國弘 泰治
MBA・FPオフィスALIVE 代表
FP資格を取得し、2017年10月にFPオフィスALIVEを開業。2021年4月に事務所名がMBA・FPオフィスALIVEとなり、現在に至る。資格:MBA(経営学修士:2011年)、2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP(日本FP協会)、日本学生支援機構認定スカラシップアドバイザー






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