労働人口が減少している日本では、特に建設業界の人手不足が顕著です。
そんな中で「建設業で起業するにはどうすれば?」とお悩みのあなたには、競合の少ない市場で商機を掴める可能性があるのです。
本記事では、建設業界で起業する流れとともに、絶対に押さえておきたい点も紹介。建設事業を立ち上げる際の全体像を俯瞰できるようにします。
建設業で起業する流れ
早速、建設業で起業する流れを紹介します。
専任技術者の資格取得
大前提として、建設業で起業するには専任技術者を会社に確保しなければなりません。初めのうちは一人親方の場合が多いため、自身が専任技術者の資格を取得するのが理想です。
専任技術者の資格取得要件は、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 起業する業種で実務経験10年以上
- 大学・専門学校の指定学科を卒業後、実務経験3〜5年
このため、会社立ち上げ前に企業で働く人も少なくありません。
開業資金・事務所の準備
次に開業資金・事務所の準備をしましょう。請負金額が500万円以上の依頼を受ける場合、一般建設業許可が必要です。そして、この許可を得るためには自己資本500万円以上が求められます。
軽微な工事だけを請け負うのであれば不要ですが、建設業で大きな仕事を請けるには開業資金として500万円以上を用意しましょう。
また、事務所の契約、工具やPC、インターネットなどの契約も進める必要があります。
開業
個人事業主として開業する場合は、税務署へ開業届を提出した段階で開業できます。
法人設立の場合は、株式会社で25万円以上・合同会社で10万円以上の費用が最低かかってきます。さらに定款作成・法人口座の開設など、細かな手続きが必要です。
建設業の許可を取得
建設業の許可を取得するまでは、本格的な案件を請け負うことはできません。許可が下りる要件について開設します。
専任技術者を有する
先述の通り、専任技術者が必要です。
経営業務管理責任者を有する
経営業務管理責任者も必要です。責任者の条件は、以下のいずれかを満たすことです。
- 該当業種で5年以上の経営業務経験
- 該当業種で管理責任者に準ずる地位かつ7年以上の経営業務補佐経験
- 建設業他業種で7年以上の経営業務経験
誠実性を有する
法人の場合は役員等が、個人の場合は事業者自身が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがないことが条件です。
財政的基盤・金銭的信用を有する
取得するものが、一般建設業許可と特定建設業許可によって条件が異なります。
一般建設業許可 | 次のいずれかに該当 | 自己資本500万円以上 |
---|---|---|
500万円以上の資金調達能力を保有(残高証明・融資証明などから判断) | ||
直近5年間、許可を受けて建設業の実績を保有 | ||
特定建設業許可 | 次のいずれかに該当 | 欠損額が資本額の2割以下 |
流動比率75%以上 | ||
資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上 |
欠格要件などに該当しない
以下の欠落要件に該当していない必要があります。
1 | 破産手続き決定後、復権を得ていない |
---|---|
2 | 不正手段で許可を受けたり営業停止処分に違反して許可を取り消され、5年が経過していない |
3 | 許可取り消し処分を免れるために廃業届を提出し、届出から5年が経過していない |
4 | 上記③の場合、取消処分の聴聞通知前60日以内に役員であった者で、届出の日から5年を経過していない |
5 | 営業停止期間が経過していない |
6 | 営業禁止期間が経過していない |
7 | 禁錮以上の刑に処せられ、執行後5年が経過していない |
8 | 建設業法・法令に違反して罰金刑に処せられ、その刑の執行後5年を経過していない |
9 | 暴力団員・暴力団員でなくなってから5年を経過していない |
10 | 精神機能の障害により、適性に建設業を営む認知・判断・意思疎通が行えない |
11 | 成年者と同じ営業能力を有しない未成年で法定代理人が上記①から⑩のいずれかに該当する |
12 | 暴力団員などが事業活動を支配している |
13 | 申請書類に虚偽記載、重要な事実の記載を欠いている |
仕事の受注
建設業の許可が下りたら、いよいよ仕事が受注できます。起業難易度は他業種と比べると高いため、会社員として働く段階から起業を視野に入れてキャリアを築く必要があることに留意しましょう。
建設業で起業するには?まとめ
万年人手不足の建設業界は、常に受注できる企業を求めています。そのため実績のある会社でなくても、要件を満たせば立ち上げ後はすぐに仕事を請けることができるでしょう。
ぜひ建設業界で起業を志すあなたにとって、本記事が有益となることを望んでいます。