ジャック・マーに学ぶ失敗の本質|落第生が大富豪になった唯一の秘密

アリババグループやアントグループの創業者であり、中国の起業家、ジャック・マー。

彼の成功の影には波乱万丈の人生がありました。

「失敗は成功のもと」「七転び八起き」「苦労は買ってでもしろ」そんな言葉では足りないくらいの失敗と成功。

そしてミスを繰り返し、そこから多くを学んできたジャック・マー。

成功の秘密を、彼の言葉を元に紐解いていきましょう。

ミスはたくさんしなさい。そして何度でも立ち上がればいい

ジャック・マー氏の失敗論は非常に興味深いです。

25歳の若者にアドバイスをするとしたら「ミスはたくさんしなさい」ということです。

心配いりません。何度転んでも立ち上がれば良いのですから。まだ25歳なんだから、楽しまなくちゃいけませんよ。

30歳から40歳の間はよく考えて行動しなくてはなりません。

起業家になりたいと思っているのならば、自分自身のために働きなさい。

そして40歳から50歳の間は、あなたが得意とすることは何なのかに焦点を当てましょう。

50歳から60歳の間は若者のために働くのです。

若者の方があなたよりずっと、良い状態で仕事ができますから。

だから若者を信頼し、投資し、彼らがいかに素晴らしいかを伝えなければなりません。

つまり25歳の若者たちは、怖気づいていてはいけないのです。どんな間違いからも得るものはありますし、素晴らしい財産になります。

なぜ、興味深いかというとジャック・マー氏もまた、失敗続きの人生だったからです。

人生はチョコレートの箱のようなもの。 ~挫折も拒絶もはね返す~

さらに詳しく彼の人生について見ていきましょう。

ジャック・マー氏は、自身の半生をこう振り返します。

笑われるかもしれませんが、小学生の頃大切な試験に2度落ちました。そして中学生の間には3回も試験に落ちました。

一生懸命頑張ったんですが、大学に行くためには入学試験を受けなくてはならなくて、そこでは3回も不合格になりました。

大学を卒業するまでにも、頑張ってはいましたが、3年間落第しました。

だから30社の企業にエントリーしましたが、全て断られました。

警察官になろうと応募しても「あなたは雇えません」と言われ、中国にケンタッキーフライドチキンが出店した時にはもちろんエントリーしましたが、僕だけが雇われませんでした。

警察官になろうとした時も、5人エントリーして4人が採用されていました。僕だけがいつも受け入れてもらえなかったのです。

ハーバード大学も10回受けましたが全滅でした。

こんな彼がなぜ腐らずに大富豪になったのか、そこにはある映画がありました。

落ち込んだり、拒絶されたりするたび、たくさんのことをハリウッド映画から学びました。

特に『フォレスト・ガンプ』が大好きです。

彼は決して諦めないのです。周りの人はフォレスト・ガンプをのろまで馬鹿だと思っていますが、彼自身は自分のすべきことを理解しています。

確か2002年か2003年だったと思います。

僕はアメリカにいて、友人の家で『フォレスト・ガンプ』を見たのです。

主人公の姿を見て僕は「彼こそが僕達が学ぶべき姿だ」と思いました。

自分のすることに信念を持って、他人がどう思おうが人間を愛し、そしてシンプルに生きていこうと決めました。

それに「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみないと分からない。」という作中の言葉も気に入りました。

ここで、皆さんの前でお話する機会があるなんて夢にも思っていませんでしたからね。

けれど今日、それが現実となっているのです。

起業家になったら、周囲が冷たい目で見たり「そんなアイデアうまくいかないよ」と言ったり、不遇な扱いをされることもあります。

しかし、ジャック・マー氏のように腐らず学び続けることで、うまくいく可能性はなくならないんです。

ビジネスを楽しもう

ジャック・マー氏はこのように語ります。

あなたは世界がどんなところだと思っていますか?どうすればチャンスをつかめると思いますか?

幼い頃、僕は何だって出来ると思っていました。しかし今は、不可能なことも存在すると分かっています。

何かを手に入れたら、考えなければならないことが増えます。

他者のことを考え、顧客や社会、従業員や株主のことを考えなければならなくなります。

懸命に働き続ければ、可能性は広がります。

挑戦しなければ、何も可能にはならないのです。

挑戦すれば、少なくとも可能性は生まれます。焦らなくても良いんです。必ず出口はあります。

自分自身のバランスをとりましょう。

ビジネスは競争です。しかし競争は楽しいもののはずです。ビジネスは戦場ではありません。

生きるか死ぬかではないのです。もし失敗したとしても…それでもビジネスは楽しまなくてはなりませんよ。

失敗して自ら命を断つ人、忙しすぎて心がささくれだっていく人…。そういった人は世界中にいます。

しかし「ビジネスは楽しむものである」という言葉が正解だと思うのです。

失敗したらまたやり直せばいい。成功しても挑戦を続ける。

これこそが、ビジネスにおけるバランスの取り方です。

クレイジーは褒め言葉

また、ジャック・マー氏はアリペイ(中国の決算サービス)の事業アイデアを考えたときの貴重なエピソードも語っています。

アリペイについて誰かと話すと、多くの人は「アリペイは史上最悪の馬鹿げたアイデアだ」と言います。

しかし僕は「人々がそれを使っている限り、馬鹿げているか、賢いかは関係ないのだ」と考えています。

しかも今や8億人がアリペイを使っています。

1999年から2000年にかけてのYahoo時代には多くの人が「ジャックは狂っている。理解できないことをしている。」と言っていました。

しかしたくさんのハイリターンを狙ったアグレッシブな投資会社が投資してくれました。なぜなら、同様のサービスがすでにアメリカにはあったからです。

それでも人々は「こんなサービスなんて存在しないさ。ジャックが狂っているだけだ」と言い続けました。

今でも忘れはしませんが、僕が初めてタイム誌に掲載された時、僕のことを「クレイジージャック」と呼んだのです。

けれど、僕にとってクレイジーは褒め言葉です。僕たちはクレイジーかもしれないけれど馬鹿ではありません。

僕は自分のすべきことを理解しているし、もしみんなが僕の考えに賛同して、僕の考えは良いものだと信じてしまうと、僕にはチャンスがなくなるのです。

お金を稼げるということについては感謝しています。

投資家の人はたくさんの投資をしてくれています。僕は誇りを持ち、誠実に仕事をしたいと考えています。

今までになかったことを実現しようとするのだから「クレイジー」だと思われることはある意味あたり前のことです。

しかし、もっと視野を広げれば、そのアイデアが既に受け入れられている地域もあるかもしれません。

狭い世界で否定されたことで諦めるのではなく、大きな視野を持って周囲の評価を気にせず進むことも重要です。

人間誰しもミスをおかす。大切なのはそこから何を学ぶかだ

最後にジャック・マー氏は若い起業家へこのようなアドバイスをしています。

若い起業家にアドバイスをするとしたら、失敗や後戻りを恐れるなということです。

そして決して諦めてはいけないということです。

僕がビジネスを始めた時、創設者は僕を含めて18名でした。

そのほとんどである17名が僕の教え子でした。

そして今となっては全員が中国で最も賢い18名と言われています。

しかし僕たち自身は自分のことを賢いとは思っていません。

正直に言うと、僕たちは皆とても貧しい学校の出身でした。

僕たちがした唯一のことは「団結した」ことです。

僕たちは全員未来を信じていましたし、楽天主義でした。そしてミスから学び、決して諦めませんでした。

あなたが有名大学の出身であるのならば、お願いですから貧しい学校を卒業した人にも敬意を払ってください。

そして僕たちのように貧しい大学を卒業した人たちは、自分自身に誇りを持ってください。

僕たちは今日までたくさんのミスを犯してここにいます。周りの人は「あなたはものすごくラッキーだ」と言うかもしれません。

今の企業規模になるまでにわずか19年しかかかっていません。

しかし、数々の困難な状況に直面したことも事実です。誰も想像もし得ないようなミスもたくさんしました。

おそらくあなた方もこの19年間で、困難な経験をたくさん積んだことでしょう。そしてそれがあなたを変えるのです。

まとめ

はじめは誰しも起業家として1人で立ち上がるもの。しかし、いつまでも一人では事業のスケールは不可能です。

周囲と力を合わせ、組織化してこそ、大きな結果を出すことができるでしょう。

今回のジャック・マー氏の話として、失敗の考え方・新しいことをするときの周囲の反発・団結の意義を忘れず、起業家として成長していきましょう。